新機能半導体物質のマテリアルデザインと薄膜結晶成長

(研究分野: 応用物性・結晶工学 )
工学研究科 教授 中山 弘
2005.01.28

機能性電子材料の薄膜成長とそのデバイス応用の研究をすると同時に市大発ベンチャー第1号を起業され多忙を極めておられる工学研究科・教授の中山 弘先生にお話を伺いました。

プロフィール

1981年
大阪大学大学院基礎工学研究科後期課程修了(工学博士学位取得)
1983年
大阪大学工学部材料物性工学科・助手
1992年
神戸大学工学部電気電子工学科・助教授
2000年
大阪市立大学工学部応用物理学科・教授
2002年
大阪市立大学大学院工学研究科電子情報系・教授
2004年
大阪市立大学発ベンチャー(有)マテリアル デザイン ファクトリー・取締役

専 門

半導体関連材料の物質設計とその結晶(薄膜)成長

研究をされて大きく感動された事象をお聞かせ下さい。

従来ありえないとされていた、化合物半導体合金におけるオーダリング現象を見つけた事ですね。
これは、いわゆるエピタキシャル結晶成長の非平衡過程に起因するもので、この発見は結晶成長学における新しい分野の発展につながりました。

大阪市大発ベンチャー第1号ということですが、そのキッカケは何でしょうか。

研究は論文を書いて、国際会議で発表をして終結します。しかし、その業績の価値が問われ、検証されることはほとんどありませんね。
私は、このことに疑問をいだき、これまで半導体物理や結晶工学分野で得た自分自身で体得した科学的、技術的成果を実社会で試してみたいと思いました。これはある意味では自分の能力への挑戦です。

ベンチャーを志す人へのアドバイスが有りましたら教えて下さい。

研究者には2つのタイプがあります。アインシュタイン的な人とエジソン的な人。前者は世界に対する統一的な見方、理論的な洞察力に優れた人。後者は技術的なアイデアに富んだ創造的な人。
私は、学生や先生方に、アインシュタイン的な人はノーベル賞を目指せ、エジソン的な人はベンチャーを目指せといっています。
また、大学発ベンチャー創業そのものが非常にクリエイティブな仕事です。独創的でないと商売もできませんでしょ。

将来の夢を聞かせて下さい。

(有)マテリアル デザイン ファクトリー(MDF)の理念は「夢を形にする」ということです。専門分野である応用物理や結晶工学を花開かせて、社会に役立つ製品をいっぱい生み出して行きたいと思っています。例えでいえば、道頓堀の看板(画像)を私の薄膜テクノロジーで動かすのが夢ですね。(笑)

インタビューを終えて

研究を語られる目は鋭い研究者、ベンチャーを語られる時は、全くの企業人・経営者であり、そのバイタリティーには圧倒されました。必ず両方の分野に於いて女神の微笑みがあると確信しました。

産学連携コーディネーター 竹本 敏夫