(研究分野: 都市経済学 )
創造都市研究科教授・都市研究プラザ所長・グローバルCOE拠点リーダー
教授 佐々木雅幸
2007.09.10

創造都市論都市経済論
大学院のころは、地方財政や地域経済の研究に従事し、アメリカやイタリアの都市経済や都市財政と日本とを比較研究する仕事をしてきました。金沢大学に赴任してから、内発的発展論の視点から金沢を分析し、イタリアのボローニャとの比較研究を手がけました。これは非常に楽しい仕事で、国内外の多くの研究者と交流し、多面的なものの考え方ができるようになりました。その後、創造都市論と出会い、そのボローニャ・金沢モデルを提唱し、海外で発表する中で、あちこちで注目されるようになりました。現在は、創造都市と創造産業の国際比較研究をまとめつつある段階です。
グローバルCOEは文学研究科が推進してきた21世紀COEを引き継ぐ形で、「文化創造と社会的包摂をめざす都市の再構築」というテーマを掲げています。これは、創造都市論と社会的包摂研究とを架橋し、21世紀にふさわしい先端的都市論を鍛えようというものです。欧州で生まれた創造都市論を日本、特に、大阪の現状から見つめなおし、独自の都市論を構築したいと考えています。その際に、アートの持つ創造性によってホームレス問題の解決など社会的包摂を進めることが理論的にも実践的にもキー概念となります。
都市研究プラザは、「都市の抱える諸問題を分析し、実践的な問題解決のための実学=政策科学の創造」という大阪市大の建学の精神に立ち返り、現代における都市研究の世界的研究教育拠点となることを目指して設立されました。同時に「都市研究プラザ」という名称からも分かるように、「広場」というイメージに基づいて作られています。大阪や周辺の街・海外の都市にも、小さく移動可能なサテライト施設として、「現場プラザ」や「海外サブセンター」を設けています。スタッフもつねに現場や海外に出て、研究やまちづくりの活動を組織しますので、プラザはおのずと開かれた研究やまちづくりネットワークの拠点、つまり「都市」というテーマで、みんなが出会い集まる広場となっていくのです。
急速なグローバル化と知識情報経済化の流れの中で都市や地域における「知の拠点」としての大学の役割はますます大きくなります。とりわけ、都市が設立した大学として、市民に開かれた都市に関する総合的実践的な教育研究拠点としての個性化が求められると思います。
都市や地域における総合的実践的な「知の拠点」としての大学は、産学連携推進ならびに知的財産管理の拠点として、ますます重要性が高まるものと思われます。より専門性の高いスタッフを充実して、教員や院生・学生に質の高いサービスを提供していただきたいと思います。
佐々木雅幸先生の著書『創造都市への挑戦』の中で、「創造都市とは、市民の創造活動の自由な発揮に基づいて、文化と産業における創造性に富み、同時に、脱大量生産の革新的で柔軟な都市経済システムを備え、グローバルな環境問題や、あるいはローカルな地域社会の課題に対して、創造的問題解決を行えるような『創造の場』に富んだ都市である。」と深遠に言及されています。佐々木先生は、それの実現に向けて、多彩な活動を日々実践されています。
この大阪の地で「創造都市」の実現に向けて、佐々木先生とともに大阪市立大学全学が寄与することこそ、「都市は大学とともに、大学は都市とともに」をかかげ都市型総合大学を標榜する本学の理念の実践であり、本学らしさの形であることを確信しました。
本学の産学連携・知財保全を担う新産業創生研究センターとしても、創造都市の実現に貢献していくことが、我々に課せられた最も根幹の職務であり、独創的な実践形態となることを痛感した次第です。
今回、グローバルCOEプログラム拠点リーダーはじめ、その他の重責を担われ 日々忙殺されておられる中で、貴重な時間を頂戴し有用なコメントを頂きました。ありがとうございました。
産学連携コーディネーター 渡辺敏郎