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2016年 西澤理事長・学長の年頭あいさつ

160104-1.JPG 2016年の新年にあたり、ごあいさつ申し上げます。

 昨年の寒冷の強い雪交じりの元旦とは異なり、本年は、大変に穏やかな暖かい日和となりました。皆さまにおかれましては、ご家族共々健やかなお正月をお迎えになられましたこととお慶び申し上げます。

 今年は、「申年」です。漢字の「申」は、本来は「しん」と読み、十二支の9番目になります。「申」という漢字は、元々「稲妻」を表した象形文字で、稲妻は、屈折しながら、あちこちの方向に走ることから、「申」を「のびる」という意味や「もうす」という意味で使うようになったとのことです。
 また、「子」から始まり「亥」に至る植物の発達段階を十二段に分けて表せば、「申」は、「草木が十分に伸びきった時期で、実が成熟して香りと味がそなわり固く殻におおわれていく時期」ということになります。
 縁起で言うと、申年は、「申」が「去る」という意味を表し、「悪いことが去る」や「病が去る」など、いいことや幸せがやってくるという年とする一説もあります。
 現在の我が国の大学の在り方、あるいは我々の大学の在り方は長い歴史に培われ育てられてきた伝統を踏まえ、さらにこれからの将来に向けての更なる発展の年に思い至るところでもあります。

 私はこの3月末で任期を終えることとなり、すでに次期理事長兼学長予定者として医学研究科長 荒川哲男教授が決まっておりますが、昨年、年末の12月25日に吉村洋文市長に届け出をし、4月1日の任命を待つばかりになっております。新理事長をはじめとした新たな執行部により、現在の第2期中期目標期間の集約を行うとともにその成果を土台として第3期中期目標期間を迎えることとなります。このためにも、この申年は、文字通り、稲妻のごとくに力強く、豊かに実り、成熟する次のステップへと発展的な年になっていただくように願っております。

この第2期中期目標期間の重点戦略を
  ・「都市科学分野の教育研究の展開とシンクタンク機能の充実」
  ・「専門性の高い社会人の育成」
  ・「国際力の強化」
の3つとしたことはすでに何度も述べております。

 「都市科学の展開」ということでは、2013年6月に「人工光合成研究センター」を、7月にはグランフロント大阪に「健康科学イノベーションセンター」をそれぞれ開所しました。また、2014年4月にあべのハルカスの21階に医学部附属病院先端予防医療部附属クリニック「MedCity21」を設けました。5大疾病・生活習慣病の早期発見・早期治療とともに、先制医療の研究開発を支える人材育成、医学教育へと展開が期待されています。
 また、都市防災研究は全研究科の総力を挙げて注力していただき、昨年、「都市防災教育研究センター」を設置し、新たな都市防災の在り方を多角的な視点から研究いただいております。地域を含め市政との連携協定を強化してフィールドワークへと大きく発展してきております。
 今後は、行政機関が保有している膨大なビッグデータを大学の事業として活用し、大阪市の教育や行政のシンクタンク機能として強力に推し進めていただきたいと期待いたしております。

 「専門性の高い社会人の育成」については、各学部、大学院における専門人の育成はむろんのこと、「博士課程教育リーディングプログラム」、「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」や「テニュアトラック普及・定着事業」、「女性研究者研究活動支援事業」などの若手人材育成や男女共同参画事業を展開してきております。

 「国際力の強化」については、国際化戦略本部において2011年度からの3年間の第1期、2014年からの第2期アクションプランのもと海外の大学との連携の強化、研究者交流、留学生の増加、グローバルコミュニケーションコースの本格実施などを手掛け、さらにアジアのみでなく欧米圏の大学への留学も容易になる認定留学制度も実施できました。
 特に、私どもが力を入れてきました初年次教育の改革では、クオーター制度を取り込み、active learningをおこなう授業の積極的なカリキュラム構成や外国語、特に英語教育の強化カリキュラム、また、文系・理系学部の学生が共通に学ぶ自然科学系の必須化などまだまだ多くの項目があります。
 また、同窓会の全学化、教育後援会の設立や「はばたけ夢基金」から「大阪市立大学 夢基金」の設置なども含め、第二期中期目標の重点戦略は順調に進展させてきていただいたと考えておりますが、これも教職員の皆さまのご理解とご協力をいただいてきた賜物と感謝いたしております。

160104-2.JPG 我が国の大学の大きな課題として、ガバナンス改革があります。グローバル化の進展の中で、社会の変化に大学の仕組みが追い付いていないという社会からの強い指摘があり、この間、国においては国立大学改革プランが出され、中教審や府市の新大学構想会議からもガバナンス改革が提言され、教育基本法の変更など状況は激しく動きました。国からはすでに教育基本法に沿った教授会の在り方などについての文科省の積極姿勢がありましたが、本学では、すでに2014年から大学改革室を設置し発展的に改革を進めてきており、ガバナンスを中心とした大学改革プランの策定をし、実施をしてきているところです。学生への教育研究環境の整備をはじめ、時代に沿った様々な教育・研究を向上させうる改革、改善を今後も進めていかなければならないと考えております。

 昨年は本学にとって大変に波乱に富んだ年でもありました。まさに本学の将来を決める大きな岐路にたっている時であると認識いたしております。一昨年の4月に知事、市長から、この間の大学統合に関する議論を踏まえ、両大学で主体的に「大阪の公立大学の在り方」について意見を求められ、府立大学とともに検討を重ね、昨年の2月に「新・公立大学」大阪モデル(基本構想)を策定しました。
 我が国での人口急減、超高齢化という直面する大きな課題があり、国の政策にも反映されてきています。今後の30年先の大阪を考え、多くの課題解決に公立大学として「大阪の知的拠点」として貢献できうること、新大学の設立により、よりパワフルな拠点として研究・教育の強化による人材育成や地域貢献の高度化や分野拡大ができること。これらを提示するとともに、うめきたの第2期工事予定地域にグローバルキャンパスを設置することで、より公立大学として大阪に貢献できることをうたっております。今後は、法人の設置形態や大学の運営形態の在り方などが議論されることになり、この重要な議論には、本学も積極的に意見を述べていきたいと考えております。

 本学は、今年で136年目の歴史を刻むことになります。昨年の12月18日には日本経済新聞社と共催で、グランフロント大阪のナレッジキャピタル・シアターにおいて、創立135周年記念フォーラム「都市大阪の創生~未来への提言~」を開催し、本学OBの坂根正弘コマツ相談役の基調講演、樋口武男大和ハウス工業会長の対談、さらには本学のそうそうたる教授陣の先生方とファシリテータの本学OGの藤沢久美氏によるパネルディスカッションが行われ、本学の都市大阪での都市創りの活動や多くのプロジェクトの実績、そこから導かれる将来の都市創りへの提言が述べられ、本学の先輩や卒業生、市民を含め満員の聴衆をうならせたのではないかと大変に誇りに感じました。本学の着実な歩みと皆さまのご支援をいただいた結果だと喜んでおります。

 堅苦しい話ばかりになりましたが、大学の風景も少しずつ変わってきております。新理系学舎の前のけやき通りも新しい装いがやっと地に着いた感じとなり、自転車通学の学生諸君や教職員の皆さまのための駐輪場も完備でき、自転車マナーのある大学になってきたと喜んでおります。これで南部ストリートからけやき通りへと美しい、ゆったりとしたアクセス歩道となったと感じています。
 昨年の8月に、田中記念館の大改装工事を行いました。ホールの40年ぶりの改装をし、これで実質ともに田中記念館の同窓会館としての機能を果たしていけると思います。より多くの同窓生が機会あるごとに大学に集っていただき、卒業生からもさらに愛される大学になることを願っております。

 ただいま、この1年間を振り返り、また今後の大学への思いを述べさせていただきました。はじめに申しましたが、一昨年の4月から私の第2期の任期がスタートいたしました。
 私の任期の最後の1年もあと3か月となります。昨年1年はICT3か年計画をたて、また、特に教育改革に明け暮れる毎日でした。かなり難題を関係の教職員の方々に申したとは思いますが、カリキュラムの大改革であり、本当に教職員の皆さまには多大のご苦労をおかけし、それに応えていただいてきたと感謝申し上げます。新大学誕生以前に、今日までの長い歴史と伝統を踏まえつつも本学は新たな時代に向かって大変貌し、今まで以上に、研究・教育、その成果としての地域貢献において輝ける大学として生まれ変わっていただきたいと念願する次第です。

 本年も皆さまのご健勝とさらなるご活躍を祈念し、新春の私の願いを込めて新年のごあいさつとさせていただきました。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

平成28年1月4日
理事長・学長 西澤良記