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教育・学生生活

交換留学レポート10月号(ドイツ ハンブルク大学)

文学研究科 後期博士課程 廣瀬ゆう子

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名前が書かれたプレート

これまでいくつかドイツでの留学体験記を書いてきましたが、私が通っていたハンブルク大学周辺についてはほとんど触れてこなかったので、今回は少しキャンパスとその周辺にあるモニュメントを紹介しようと思います。 キャンパス周辺、またはキャンパス内を歩いていると、地面に小さな金色のプレートが何枚か並べられて埋まっているのを所々で見かけます。これをよく見てみると、名前、生年月日、住所、それからもうひとつある情報が彫られています。それはその人物が「どこで亡くなったか」。このような情報が書かれているのは、歴史的に有名な人物であれば、全く不思議なことではありませんが、プレートに載る名前は一般人、つまり、この金色の板はかつてその場所に住んでいたユダヤ人を示すものなのです。このようなプレートは、キャンパスとその周辺にだけ埋められているものではなく、ハンブルクの街中を歩いていても見かけられるものです。

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「水晶の夜」を描いた壁画

また、キャンパス内の建物には、写真にあるような大きなモザイク壁画で飾られているものもあります。この壁画は、1938年11月9日に起こった「水晶の夜」を描いたものです。キャンパス周辺には、当時多くのユダヤ人が住んでいました。この事件でキャンパスの側にあったシナゴーグも壊されてしまいました。現在、その跡地には真っ白な建物がありますが、当時の面影は全くなく、事件とシナゴーグを紹介する看板が立っているだけです。看板にはこの事件は「水晶の夜」という“綺麗な”言葉ではなく、「迫害の夜(Pogromnacht)」と書かれています。そういえば、ハンブルク大学の歴史を学ぶ講義でも「迫害の夜」という言葉を使って紹介されていました。キャンパスとその周辺を歩くだけでも、こうしたものはいろいろと目に飛び込んできます。この体験記を読まれた方がハンブルクを訪れ、地面に埋まる金色のプレートを見かけた際には、ぜひ足を止めて見ていただきたいな、と思います。

さて、私の留学体験記も今回で終わりです。外国での長期滞在は初めてでしたが、友人やハンブルク大学の先生方のおかげで大きなトラブルもなく、本当に楽しい留学生活を送ることができました。また、観光客としてではなく、学生として、一年間ドイツで生活し、ドイツの「今」をしっかりと見ることができたのは、とても貴重な体験だったと思います。ドイツで出会った全ての人に、心から感謝しています。