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教育・学生生活

2015年度 語学留学レポート(ドイツ ハンブルク大学)

文学部2回生 林 祐一郎

1.授業と試験について
僕はグループ5で授業を受けていました。平日9時15分~12時まで、間に30分休憩をはさんで授業を行っていました。僕のグループの先生はもちろんネイティブの方でしたが、分かりやすいようゆっくりと話してくださり、また授業を受けている学生が知らないと考えられる単語がでてくると具体例等を出して丁寧に説明してくださったので、大抵のことは理解できました。

授業の内容は買い物や通院等といった日常的な場面での会話文を作ったりすることが中心で、実用的なものでした。1年以上ドイツ語を学んできてそれなりに力を付けてきたつもりでしたが、いざ即座に頭の中で文を組み立てて口に出そうとしてもうまく整理できず、スムーズかつ正確にドイツ語を話す力が僕にはまだ無いということを思い知らされました。自分の思い上がりを改める良い機会になりました。
現地で言いたいことが言えなくて悔しい思いをしないためにも、これから参加する皆さんは事前に日本でネイティブの先生の授業を受けたり、1回生の時に使っていた教科書を読むなどして初級文法を一通り復習したりしておくことを強く推奨します。
他のクラスもそうですが、クラスは日本人・台湾人・韓国人の学生さん達で構成されていました。台湾人や韓国人の学生さんは積極的に発言するという話を事前に聞いていましたが、自分が考えていたよりも積極的ではなかったので、彼らも同じ東アジアの人間なのだなと親近感を抱きました。彼らとは授業の合間にお互いの国の事情や文化等について話したりして、廊下で会ったら挨拶を交わすくらいになり、お別れパーティーでは一緒に写真を撮るまでになりました。ドイツ人の方だけではなく台湾人や韓国人の方とも文化交流出来たのは貴重な体験です。

2.日本語補講について
1週目はグループ4・5が合同で受け、2週目からはグループ5単独で受けました。昼休憩後の13~14時までの1時間の授業でしたが、お堅いガッツリとした授業ではなく、分からなかったことに関する質問やドイツ事情について話すことが主でした。ちょっとした質問でも日本人の先生方は丁寧に教えてくださり、またその質問からドイツ文化の紹介へと話を広げてくださることがしばしばあったので、有益な時間を過ごすことができました。

3.チューター制度について
日本語補講に続き、14~16時までチューターさんと宿題をしたり会話をしたりする時間がありました。担当するチューターさんは週替わりで、様々な方と知り合うことが出来ました。ハンブルクに到着した際や日本へ帰るため空港へ向かう際にもチューターの方々は案内してくださり助かりました。また、学生寮から連れ出していただいて一緒にハンブルク市内観光をしたりしました。

サマースクール_1-A 
★ アルスター湖付近のハンブルク市庁舎前★

一口に「チューター」と言ってもその方々の出自は様々で、ドイツ人の方もいらっしゃれば、父親がポーランド人だという方や、全くドイツ人の血が流れていないトルコ人ムスリムの方(祖父母が外国人労働者としてドイツに定住、当人はドイツで生まれた)もいらっしゃいました。経済発展を経て物質的に豊かになった先進国ドイツは周辺諸国にとって魅力ある働き場なのでしょう。チューターの方々との交流を通じて、ドイツ以外の様々な文化や現在の欧州におけるドイツの位置づけというのをなんとなく掴めた気がします。

チューターさんと会話する時は基本的にドイツ語で、ドイツ語での会話に慣れるために役立ったと思っています。チューターの方々は日本語を学んでいる学生なので気を遣って日本語で話してくださることもありますが、どうしても話が通じない場合はお互い英語に逃げていました。多くの日本人が軽視しがちな英語の能力がここまで有用なものだとは思っていませんでした。ドイツ語を学びに行って、英語の汎用性を知るとは何とも皮肉なことです。世間にはよくそれらしい理屈を捏ねて英語学習を怠る人々も見受けられますが、それは極東の島国に特有の風土病なのかもしれません。

4.学生寮について
僕はザールラント通りの「Europa&Georgi Haus」という学生寮にはいりました。大学までは一度電車での乗換を経て片道20分程度で通える距離でした。部屋はまずます綺麗でしたが、台所の水回りには水垢らしきものがビッシリと残っていたり、共用の冷蔵庫の中には謎の粘着質がへばりついていたりと大変愉快な有様でした。総じて寮はお世辞にも綺麗とは言えない所で、一ヶ月だから我慢出来たものの、これが半年あるいは一年ともなるととても耐えられないだろうと感じました。ドイツ人は真面目で几帳面だとよく言われますが、特定の民族を野蛮だと一様に決めつけるのと同じように、それも偏見なのでしょう。堅物だと思われがちなドイツ人にだって、いい加減な人はたくさんいるわけです。

5.食事について
朝はパン屋さんでパンを一つ買い、昼は大学の食堂で済ませていました。夜は大抵自炊していました。寮の近くには「Rewe」というスーパーがあってよくそこで食材を仕入れていましたが、「Edeka」という少しリッチなスーパーも品揃えや店内の雰囲気が良かったので利用していました。スーパーを含む大抵のお店は日曜日や祝日に閉まってしまうので注意しましょう。ただしパン屋は日曜日や祝日でも早朝から午前中までなら開いていますから、そこを利用して食料を調達するのも良いですし、中央駅へ行けば駅内のスーパーは空いているので、幾分面倒ですがそこまで出向くというのも一つの手段です。

6.全体の日程について
平日は9~16時まで大学で、授業開始から1週目と3週目の土曜日には遠足がありました。裏を返せばそれ以外の時間は自由だったので、平日の放課後はハンブルク市内なら有効の定期券(サマースクーる参加費に含まれる)を携えて一人でハンブルク中の史跡や博物館を巡りました。定期券はどれだけ使っても減るものではないので、とことん利用しましょう。また、2週目の土日には市大の方々とベルリン・ポツダム観光へ行きました。何の予定も入っていない土日を狙って遠出すれば、旅先で刺激的な経験が出来ることと思われます。

7.まとめ
一ヶ月という短い期間でしたが、様々な経験が出来ました。ドイツ語で話さざるを得ない状況にあって、僕の拙いドイツ語能力は以前よりも改善されたことと思われます。とはいっても片言で会話していたのが文法的に完成された簡単な表現で会話できるようになった程度でしたが、これだけでも国家の近代化並みの進歩だと、ドイツ留学を経験している先輩方に言われました。

また、ドイツの光と影も見えてきました。例を挙げれば際限無いですが、良い所としては、史跡や歴史的遺物を手厚く保護していることが印象に残りました。記念碑等のすぐ傍らには必ずと言っていいほど青いプレートがあり、そこに歴史について詳細な説明が書かれていました。一方で影の部分としては、例えば街中で見え隠れする格差社会があります。僕が通学のために利用していたある駅の入り口にはいつも物乞いをしている人がいましたし、ベルリンのようなハンブルク以外の都市でもそのような人々を見かけました。観光雑誌だけでは知ることのできないドイツの光と影がそこにはあります。
サマースクール_1-B
★ハンブルク市内のビスマルク記念碑前 ★

最後になりますが、サマースクールではただ授業を受けて勉強するだけではなく、様々な文化的背景を持つ方々と交流する機会を得られたり、ドイツの色々な相を見ることも出来たりしました。教室で席に座って大人しく授業を受けているだけが勉強ではないのだということを、身をもって実感した一ヶ月でした。