公立大学法人大阪市立大学
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教育・学生生活

「現地企業活性化共同研究プロジェクト研修プログラム」レポート/商学部(教授 太田雅晴)

プログラムの概要:

インドネシア・ガジャマダ大学に学生を派遣し、現地学生達と共同で現地企業、現地各種団体を調査し、その結果を分析して、調査先を活性化するマネジメント手法を共同して提言するプロジェクトでした。派遣前には、インターネット環境をフルに活用し、現地学生とコミュニケーションし、新興国の企業経営に有用なマネジメント手法に関わる統一した複数のテーマの下でお互いに事前学習を行い、現地到着後、調査前にはお互いにプレゼンを行って知識を深めました。プログラムを通じて、現地学生達、および調査対象企業の経営者等と英語でディスカッションできるコミュニケーション能力、新興国企業および各種団体の文化・風土の吸収能力、最終的には真にグローバルに活躍できる人材を育成することを目的としたものでした。

具体的な研修内容:

次の手順でプログラムを進めました。
1.担当者:太田が、ガジャマダ大学の教員と相談してテーマを設定(①インドネシア企業の製造・マーケティング活動活性化、②インドネシア産業の包括的発展方策、③インドネシアのフードサプライチェーンの改善、④交通事情の改善、⑤インドネシアの包括的政策改善)
2.両大学の参加学生をそれぞれ5グループに分けて事前学習の開始
3.出発前にインターネットを使ってのコミュニケーション
4.ガジャマダ大学到着後、各グループ、大学ごとに、事前学習の成果を英語で発表

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5.現地ヒヤリング先(①②→トラクター製造企業Quick、②→代表的スーパーIndomart、④→交通局、⑤→ジョクジャカルタ特別市政府)でのヒヤリング内容を相談
6.ヒヤリング先を訪れ、ヒヤリングおよび業務視察

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7.ヒヤリングおよび業務視察の結果を基に、課題の明確化、改善提案の相談
8.7の結果をグループごと(大学混成チーム)に発表、ヒヤリング先に送付

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9.ガジャマダ大学の勧めで、文化拠点であるバリ島を視察、現地大学のディアナプラ大学を訪問し、ホスピタリティ学部の学生達と、互いに勉強している内容、日本およびバリの文化の概要について発表および意見交換

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10.バリの世界遺産を現地学生達と視察

研修成果:

まず教員の側から見ていて、
・学生達が、英語で報告したり、ディスカッションしたりすることに躊躇しなくなったし、英語での報告もメモ等を見ずに行えるようになった。
・現地学生達と英語で自由にコミュニケーションができるようになった。

学生の感想として、
・事前に十分に調べていったが、現地で実際の状況を見たり、聞いたりすると、かなり異なっていて、今後仕事する場合も、実際に現地に行くことの重要性を感じた。
・綺麗な英語を話すということでなく、ジェスチャーを入れてでもとにかく話すことが重要であり、そして自分たちの英語能力を醸成させれば、ネイティブで無い各国の有名大学の学生達と対等にコミュニケーションできる能力があることがわかった
・海外の大学生、一般の人々のホスピタリティの高さに感激した。
・今後、積極的にグローバル企業への就職を目指すし、海外への赴任要請があった場合にも応える自信ができた。
・英語学習のさらなる必要性と、大学での基礎的専門学習の必要性を学んだ。

研修で得たことをどのように活かすか:

4年生は既に就職が決まっており昨年度のベトナム研修も受けていて、就職後、多くが海外赴任になることがある程度決まっていることから、代表的な新興国の状況を知ることができ、また自らの英語学習の成果を再度試すことができ、今後の実務界での活動にかなりの自信を得たと感じている。3年生、2年生は、今後の自らの進路の幅を拡張して、グローバルに活躍できる自分をイメージできたようである。さらに残された在学期間で必死に英語能力を高める必要性を認識して学校生活をその方向に持って行くように心がけると考えられる。

特に学生時代など、若い内に海外の同年齢の人々とつきあうことは重要である。興味が一致したり積極的な活動をしたいで、コミュニケーションの迅速な活性化に繋がる。将来、彼らと一緒に仕事をしていくことになるのは明白で、大学混成チームにしたことで、日本の学生の長短、インドネシア学生の長短を自ら知り、どのように異文化の中で仕事をしていけば良いかを学ぶことができたものと思っている。このような体験は学生のうちにしかできないことでもある。それらが積み重なれば我が国の企業などの組織がグローバル化する上で後押しになるものと考えている。