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放射能、放射線や放射性物質についての基礎知識Q&A

2011年03月31日掲載

教育・学生

独立行政法人放射線医学総合研究所のホームページに基本的な情報が掲載されています。
ここでは、放射能、放射線や放射性物質についてQ&A方式でわかりやすく解説しています 。(2011年7月26日更新)

Q1.放射能と放射線の違いってなんですか? よくわかりません。

放射能を説明する前に、まず放射線を説明します。「放射線」とは、空気や物質を電離(イオン化)することができる高いエネルギーを持つ粒子線や電磁波を総称して言います。
特に、不安定な原子核が崩壊してより安定な原子核に移行するときに、原子核から放出されるα線、β線、γ線、中性子線を狭い意味で指すことが多いです。広い意味では、レントゲン写真やCT検査などで使用されるX線も含めることがあります。

「放射能」とはこれら放射線を放出することができる性質や能力を指しますが、放射線を放出する物質自体を指すこともあり、一般では後者で使われることが多くありました。ただし、最近の報道では紛らわしさを避けるため、放射線を放出する物質を放射能とは呼ばず、「放射性物質」と呼ぶことが多くなっているようです。したがって、原子炉に使われるウランや、核反応の結果生成されるセシウム137、ヨウ素131などは「放射能」または「放射性物質」であり、それらから放出されるα線、β線、γ線などは「放射線」ということになります。

また、放射線の広がり方は光と同じなので、原子炉から放出される放射線の強度は、距離が大きくなれば急激に(距離の2乗に反比例して)小さくなりますが、放射性物質が漏れて風で飛ばされたりすると、それらの物質から放出される放射線が各地で観測されることになります。

より詳しい情報は独立行政法人放射線医学総合研究所のホームページの「放射線Q&A」をご覧ください。

Q2.ベクレル、グレイ、シーベルトって何ですか?

  • ベクレル(Bq)
    放射能の量を表す単位です。1ベクレル(Bq)は、1秒間に1個の放射性核種が崩壊することです。例えば、水1リットルに100 Bqの放射性物質が含まれている場合、1秒間に放射性物質の原子核100個が崩壊して放射線を出していることになります。
  • グレイ(Gy)
    物質が放射線を受けると、物質は放射線のエネルギーを吸収します。この吸収されるエネルギーが大きいと、場合によっては物質が損傷を受けることになります。したがって、単位質量あたりの物質に吸収されるエネルギーの大きさ(吸収線量)が、物質に放射線が与える影響の1つの指標になり、グレイ(Gy)という単位で表します。1kgの物質あたり1ジュール(J)のエネルギーが吸収される放射線量を1グレイとしています。
  • シーベルト(Sv)
    人体に対する放射線の影響を考える場合、単純な物質に比べてさらに生物学的な影響を考える必要があります。その影響は放射線の種類とエネルギーによって異なり、それらを補正するための係数を吸収線量に掛けた値(線量当量)を、放射線が人体に与える影響の指標として用い、シーベルト(Sv)という単位で表します。また、11 Sv = 1,000 mSv(ミリシーベルト) = 1,000,000 μSv(マイクロシーベルト)で、人は年間およそ2.4mSv(世界平均)の自然放射線に常に曝されています。

Q3.半減期って何ですか?

放射性核種の原子数が半分に減少するのに必要な時間のことです。 放射性核種は原子数が指数関数的に減少していきます。半減期は個々の核種によって固有です。例えば、ヨウ素131の半減期は約8日です。従って、ヨウ素131は8日後には元の1/2の原子数、16日後には元の1/4、24日後には元の1/8に減っています。一方、セシウム137の半減期は約30年です。

Q4.ヨウ素131とセシウム137って何ですか?

元素のもととなる原子は、中心に位置する原子核とその周りを取り囲む電子からできています。さらに原子核は、プラスの電気を帯びた陽子と電気的に中性な中性子が集まってできています。原子の化学的な性質は、原子核の帯電の大きさ、すなわち陽子の数によって決まるので、中性子の数がいくつか異なった核種も、陽子の数が同じであれば同じ化学的性質を示します。それらを同位体と呼び、特にそれらが放射性を持つ場合、放射性同位体と呼びます。

ヨウ素は、でんぷんに加えると藍色になるヨウ素溶液や、消毒液に使うヨードチンキとして日常生活に身近な元素ですが、自然界に存在するものはヨウ素127という安定な同位体です。これに対して原子炉内の核分裂反応で作られるヨウ素131は、ヨウ素127よりも中性子が4個だけ多い放射性同位体で、主にβ線を出しながら8日という半減期で安定な核種に崩壊していきます。 また、ヨウ素は人の甲状腺ホルモンの合成に必須なため、放射線のヨウ素131も人体に取り込まれると、甲状腺に集まり、これが内部被ばくを引き起こし甲状腺がんの原因となることがあります。

セシウムは、例えば正確な時間を刻む原子時計の材料として、現代の高度情報化社会にはなくてはならないレアメタルの一種です。自然界にはセシウム133が安定に存在する同位体ですが、これに対してセシウム137は、ヨウ素131と同じく原子炉での核分裂反応で生成される代表的な放射性同位体です。セシウム137は、β線とγ線を出しながら安定な核種に崩壊していきますが、半減期が30年と長く、取扱いには注意を要します。化学的にはカリウムとよく似た性質を示すため、人体に取り込まれるとカリウムと同じように吸収され、内部被ばくの原因となることがあります。

Q5. 関西まで放射能汚染が広がっている可能性はあるのでしょうか?

大阪市立大学では、震災以前から杉本キャンパス(大阪市住吉区)内の測定ポイント(理系キャンパス内、地表から高さ1mの地点:別図)において毎週定期的に放射線量を測定しています。これによると、現在までのところこの測定ポイントにおける放射線量は3月11日以前のレベルと変化はなく(別表)、平常時と同じレベルで推移しています。これらの値は、日本地質学会が公表している自然放射線レベルの範囲内であり、特に震災による影響は観測されていません。この測定結果は、毎週更新します。

また文部科学省のホームページから「東日本大震災関連情報」をクリックし、各都道府県別のモニタリングの項目にある(グラフ)都道府県別環境放射能水準調査結果の大阪をクリックしますと大阪府(大阪市)の環境放射線水準がグラフになっています。さらに都道府県別環境放射能水準調査結果でも毎日の調査結果を確認することができます。このページからリンクされたファイルに大阪市での過去における環境放射能のレベルが記載されており、そのレベルは0.042~0.061μSv/hです。測定値がこの範囲に収まっている場合、放射線量には異常はないと判断してください。

以上より、3月11日以前との比較で大阪市立大学杉本キャンパスの計測地点においては汚染されていないと判断されます。加えて、上記の都道府県別環境放射能水準調査結果においても関西圏における放射線量は平常時と同じレベルであり、関西においても汚染されていないと判断されます。

なお、大阪市立大学杉本地区放射線障害予防委員会は食品中の放射性物質については計測しておりません。

Q6. 東京方面へ旅行(出張)するのですが、心配です。どんなことに気をつければいいのでしょうか?

現在のところ、関東地方では5の環境放射線の測定結果や上水(蛇口水)における核種分析調査結果から、特に気をつける点はないと判断されます。しかしながら、福島原発事故が収束するまではラジオやテレビなどのニュースなどから情報を入手してください。正しい情報に基づいていないものもありますので、特に一部の週刊誌、うわさやチェーンメール等には惑わされないようにしてください。

より詳しい情報は独立行政法人放射線医学総合研究所のホームページの「放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版 第1号(Ver1.1)」(第1報から第5報のまとめ)「放射線被ばくに関する基礎知識 第6報」を参考にしてください。

Q7. 関西圏で雨にぬれた場合にどうなんでしょうか?心配ありませんか?

本学においては雨水中の放射性物質について計測しておりません。しかしながら、5や定時降下物(降水採取装置により採取したサンプル)に含まれる核種分析調査結果から判断しますと、現時点では少なくとも関西圏内では心配はありません。