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ロボカップジャパンオープン2010大阪で準優勝

2010年05月20日掲載

研究・産学

平成22年5月2日~4日に開催された「ロボカップジャパンオープン2010大阪」で、工学部・工学研究科電子情報系専攻の知識情報処理研究室と龍谷大学の研究室との合同チーム「Baby Tigers DASH」が準優勝を果たしました。2連覇はできませんでしたが、今回ははじめての龍谷大学との合同チームで挑み、得たものも多かったようです。
「Baby Tigers DASH」の川田徹也さん(工学研究科前期博士課程1回生)と、チームを指導された辰巳昭治教授にお話をお伺いしました。

 

<川田さんインタビュー>

―準優勝して、どんなお気持ちですか

予選では1勝1敗の同率1位で得失点差によって1位となりましたが、決勝戦では1-3で惜しくも敗れてしまいました。AIBOのリーグは今年で廃止になるようなので、最後を優勝で飾れなかったのが悔しいです。

―今回、特に力をいれたという「歩行精度」のプログラムについて、満足のいく結果は得られましたか

AIBOの歩行はマットの材質に影響されるのですが、今回の会場のマットだと、直進歩行に関しては、変更前のほうが精度がよかったという残念な結果になってしまいました。しかし、ターンの旋回角度に関しては、AIBOが回りすぎるという問題などを改善することができ、一安心でした。

―反省点はどのようなところでしょうか

今回の参加メンバーは全員大会初参加だったので、先輩の方々から引き継ぎを行わなければならなかったのですが、なかなか日程が合わず、結果としてその後のスケジュールがどんどん遅れていってしまいました。もう少し余裕をもって行動できたらよかったのにな、と思います。

―今回のロボカップに参加して良かった点、得たものはなんですか

今回は去年と違い龍谷大学からも参加者がおり、2グループに分かれての開発がメインとなっていました。メールなどで連絡をとりつつ、数度の合同ミーティングで現状報告をしたりと、普段研究室ではできないような経験ができたことが良かったです。同じ研究室にいる仲間となら、話をしたいときに直接話せるし、気心も知れているので、言葉が少し足りなくても、ある程度、情報や認識を共有できます。しかし普段会うことがない他大学のメンバーとはそうはいかず、報告の要点などをきちんと把握してわかりやすく伝えないと話し合いがうまく進まないので、「自分自身の考えを整理して伝える」訓練にもなりました。とても有意義で楽しい時間を過ごせたと感じています。

<辰巳教授インタビュー>

―準優勝という結果を受けて、どんなお気持ちですか

昨年は優勝していますので、準優勝は正直に言うと残念です。改良すべき事項が多々あり、今後の研究課題にしたいと思います。 このリーグについて少しお話すると、SonyのAIBO製造中止以来、年々参加チームが減少し、ことしは、3チームです。自律型ロボットを用いて、自然に近いサッカーの試合が可能なのは、AIBOを用いたリーグだけで、ヒューマノイド型ロボットはまだまだ試合になりません。AIBOは4足を持っていますので、倒れることなく、自律的に行動を継続し、試合を続行できるのです。再度この長所が見直されて、参加チームが増加することを願っています。

―学生さんの頑張りを、どのようにご覧になっていましたか

今回のチームは、本学の修士1年生3名と龍谷大学の学生の混成チームです。学生たちは3月に卒業研究を終え、短い期間のうちに、AIBOのシステムと過去に作成したソフトウェアを理解しなければなりません。そのために彼らは、卒業した先輩からの聞き取りや、龍谷大学の学生たちとの事前ミーティングを重ねて、チームとして一つの仕事をやりきりました。この経験は今後の仕事にも生かされてくると断言できます。
また、試合は3日間あり、試合後の反省と次の試合までに改良すべきことを考え、実行しなければなりません。短期間でしたが、より良い結果を見出す試練によく耐えたと思います。

―今後の目標は

来年は4足リーグが廃止されるとのことですが、サインの交換で協調動作の実現を行うなど、まだやり残している課題があります。 “車輪型リーグ”では実行不可能な面白さを見出し、2足歩行ロボットへの移管などを考えたいと思っています。

ロボカップジャパンオープン大阪(http://www.robocup-japanopen.org/index.html

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