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発毛促進の再生医療に関する共同研究を開始

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この研究は下記のメディアで紹介されました
◆11/22 大阪日日新聞

 大阪市立大学大学院医学研究科 皮膚病態学の鶴田大輔(つるた だいすけ)教授、および吉里勝利(よしざと かつとし)客員教授は、レジエンス株式会社とともに発毛促進の再生医療に関する共同研究を実施し、in vitro(生体外)で高機能な毛包[図1] を作製・評価して、最終的に男性型脱毛症(以下AGA)の治療法の開発をめざします。

研究の背景

 AGAは思春期以降に始まり、徐々に進行する脱毛症です。生理的な現象ではありますが、徐々に外見上に変化をもたらします。患者数は全国で約1,260万人、そのうち、気にかけている、または何らかのケアを行った患者数は約650~800万人といわれています*1。20歳代から30歳代にかけて著明となり、徐々に進行して40歳代以後に完成され、発症頻度は20歳代で約10%、30歳代で20%、40歳代で30%、50歳代以降で40数%と、年齢とともに高くなります*2。近年、女性のAGAも深刻化しており、大阪市立大学病院皮膚科脱毛外来では2013年1月から6月までに受診した女性患者のうち18%がAGAでした。また新規AGA患者の80%以上が女性でした。AGAの治療法として、義髪(ウィッグ)着用による整容的対処法のほか外科的療法や薬物療法がありますが、いずれも対処療法であることから現在でも新しい治療法の開発が期待されています。

*1: 日本醫事新報 2004; No.4209: 27-29
*2: 男性型脱毛症診察ガイドライン
http://www.dermatol.or.jp/upfile/1372913421_2.pdf

研究の概要

目的

 上記背景をもとに、今回のプロジェクトではヒトの頭部毛髪組織を器官培養[図2] 及び頭部毛髪組織構成細胞(毛乳頭細胞、毛包部表皮角化細胞、メラノサイト、毛包幹細胞など)を分離培養し、毛包を再構築することで最終的に移植用毛包(毛髪)の開発をめざします。

内容

 毛包の作製には持続的な成長期間を維持する環境を整えるとともに移植に最適なオルガノイド(立体的な組織構造体)を作製する必要があります。この目的のために、培養用培地成分の条件検討をはじめとして、脂肪組織とのco-cultivationや毛髪組織環境の再現(酸素分圧、血流/体液の還流速度など)による培養条件の最適化を行うことで、移植に耐えうる毛包を作製します。作製した毛包は形態学的特徴(長さ、太さ、色など)の評価のほか、構造や機能(細胞増殖能、分化能など)を健常人由来の毛包と比較しながら詳細に評価していきます。
 高機能な毛包が作製できた場合は、モデル動物への移植を行い、生体内環境での生着率や毛周期間(寿命)を評価しつつ最終的に人への移植可能な毛包の開発を推進していきます。
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【参考】
 レジエンス株式会社 発表資料