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IGHD×ReCAP 宮古島に“人工光合成ハウス”を建設

プレスリリースはこちら 

この研究発表は下記のメディアで紹介されました。

◆7/11 日経テクノロジー 
◆7/12 化学工業日報
     日本経済新聞 

 大阪市立大学は、飯田グループホールディングス株式会社(以下飯田GHD)と共同で、従来にない人工光合成技術による「IGパーフェクトエコハウス」の実証実験を、年内に沖縄県宮古島で開始します。本研究についての記者発表が、平成29年7月11日(火)に東京都新宿区の飯田GHD本社にて行われ、本学人工光合成研究センターの天尾 豊所長と複合先端研究機構の南 繁行特任教授が出席しました。

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沖縄県宮古島市に建設中の大規模リゾート計画地

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IGパーフェクトエコハウス研究棟イメージ


 実験用「IGパーフェクトエコハウス」は、飯田GHDのグループ会社である株式会社飯田産業(本社 東京都武蔵野市、代表取締役社長 兼井雅史)が沖縄県宮古島市で建設中の大規模リゾート計画地内において建設中です。この実証実験で、太陽光エネルギーから水素を作り出し、発電給湯を行う技術を確立し、2020年に「人工光合成技術による二酸化炭素消費型の新しい住宅」の完成を目指します。

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研究内容について解説する天尾所長と南特任教授

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7/11に飯田GHD本社で行われた記者発表の様子

取り組みの背景

 科学技術の発展に伴って生じた、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスによる地球環境汚染という重大な問題の解決手段として、とくに環境低負荷型エネルギー循環システムの実現や、二酸化炭素を代表とする温室効果ガスを有効エネルギーに変換するシステムの開発が求められています。
 地球規模で削減目標が定められている二酸化炭素に関しては、環境負荷軽減策(排出量の削減)が有りますが、逆に二酸化炭素を積極的に原料として利用し、有機物質、ひいては電気や動力に変換する技術が確立できれば、素晴らしい未来社会の実現が期待出来ます。その方法の一つとして注目されているのが、太陽光エネルギーを利用し、二酸化炭素を新たな燃料に変換する人工光合成技術です。この技術を戸建住宅に活用すべく、本学人工光合成研究センターと飯田GHDは2015年に共同研究部門を設立し、研究を開始しました。今回発表する「IGパーフェクトエコハウス」の建設は、「二酸化炭素の排出量を削減する」住宅の省エネ化にとどまらず、この技術を活用した「二酸化炭素を消費する」住宅の供給実現に向けた第一歩です。

研究の内容

 二酸化炭素から水素源となるギ酸を生成・貯蔵し、このギ酸から水素を生成して電気を作ることが実現できれば、新たな人工光合成の応用技術になると考え、研究を開始しました。
 この人工光合成技術により、二酸化炭素から水素源となるギ酸を生成・貯蔵し、更にこのギ酸から生成した水素で発電した電気で家庭の消費電力の全てを賄うことができる技術を開発することが実現できれば、環境にきわめて優しい未来住宅が実現出来ると考え、これを「IGパーフェクトエコハウス」と命名し、共同研究を開始しました。
 これまでも、太陽光エネルギーを利用して二酸化炭素と水からギ酸を生成する技術は研究されていましたが、その反応効率の向上や反応が溶液系に限られているなど 実用化に必要な課題が多く残されたままでした。
 本学人工光合成研究センターと飯田GHDによる共同研究部門は、2017年に以下2つの技術を開発しました。
1) 太陽光エネルギーを利用して高効率でギ酸を生成・貯蔵し、このギ酸から水素を生成する新しい人工光合成技術
2) 1)の生成水素から高効率で発電する新技術
 特に1)については、色素・ビオローゲン・ギ酸脱水素酵素による太陽光駆動型二酸化炭素‐ギ酸変換系を金属酸化物基板上にデバイス化することに成功※1、更に金属酸化物として酸化チタンを用いることで、ギ酸の生成効率が従前の約6倍に向上しました。又、酸化チタンを用いる事で、ギ酸脱水素酵素が不要となる事も発見しました。現在は最適なビオローゲンを用いることで、従前の約12倍までなる技術を獲得することが出来ました。※1

※1 特許出願済

期待される効果

 酸化チタン薄膜基板上に色素・ビオローゲンを担持したデバイスの採用によるギ酸生成の高効率化により、例えば戸建住宅の屋根に搭載したギ酸生成装置で得られたギ酸を貯蔵し、更にギ酸を水素に変換、発電する事で、当該住宅が消費する電力をすべて賄う事が出来る可能性が高まりました。

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 従来の太陽光発電では、晴天の昼間に発電した電気を雨天時や夜間に使うには蓄電池が必要な上に、電力の状態で保存するため、充放電ロスもありました。一方、当方の人工光合成技術では、太陽エネルギーでギ酸を作り、これをタンクに貯蔵し、電気が必要なときにギ酸から水素を生成し発電するため、上記のような問題もありません。また、二酸化炭素の排出を抑制することはもとより、二酸化炭素の活用が可能となります。

今後の展開

 2020年の本技術の完成を目標とし 、低環境負荷型水素エネルギー社会の実現に貢献いたします。

本研究について

 本研究は、大阪市立大学人工光合成研究センター水素エネルギー技術開発部門及び水素エネルギー変換工学部門と飯田GHD新規事業開発部_技術研究課による共同研究の成果です。