○公立大学法人大阪市立大学内部通報及び不当要求行為に関する規程

平成25年3月18日

規程第21号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 公立大学法人大阪市立大学内部通報等審査委員会(第6条―第8条)

第3章 内部通報(第9条―第21条)

第4章 不当要求行為に対する対応(第22条・第23条)

第5章 補則(第24条・第25条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、公立大学法人大阪市立大学(以下「法人」という。)における内部通報及び不当要求行為に関する事項を定めることにより、法人における法令等の違反行為や不正行為の早期発見と是正を図り、法令遵守と健全な教育、研究、診療及び職場環境の形成を促進することで、法人の健全な運営に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 「内部通報」とは、教職員等が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的でなく、法人又は法人の業務に従事する場合におけるその役員若しくは教職員、学生について通報対象行為が生じ、又はまさに生じようとしている旨を法人に通報することをいう。

(2) 「通報対象行為」とは次に掲げるものをいう。

 法令等に違反する行為又はそのおそれのある行為

 教職員等の生命、身体、財産その他の利益に重大な損害を与える行為又はそのおそれのある行為

 その他、法人の事業に係る不正な行為で、法人の利益を失わせ、若しくは法人に損害を与えるもの又はそのおそれのあるもの

(3) 「法令等」とは、法律、命令、条例及び規則並びに法人の定める倫理綱領、規則、規程、要項及び細則をいう。

(4) 「教職員等」とは次に掲げるものをいう。

 法人と雇用関係にある教職員

 法人の業務に従事する派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に規定する派遣労働者をいう。)

 請負契約その他の契約に基づき法人の業務に従事している者

 本学学生

(5) 「内部通報者」とは、教職員等であって、内部通報をした者をいう。

(6) 「被通報者」とは、通報対象行為を行った、行っている又は行おうとしていると通報された法人の役員及び教職員等をいう。

(7) 「不当要求行為」とは、教職員等以外の者又は団体が、脅迫、威圧的な言動、暴言、喧騒その他の不穏当な言動により、又はその地位を利用し、若しくはその権限に基づく影響力を行使して、教職員等(ただし、第4号エは除く。)に対し、不適正にその職務上の行為をし、又はしないことを求める行為その他の不正な手段によって、教職員等(ただし、第4号エは除く。)の公正な職務の執行を妨げる行為をいう。

(統括責任者)

第3条 理事長は、法人における内部通報又は不当要求行為への対応を管理する最高責任者として、当該業務を統括する責任を担う。

(通報者の責務)

第4条 教職員等は、内部通報を行う場合には、客観的な事実に基づき誠実に行わなければならない。

2 理事長は、教職員等が虚偽の通報、他人の誹謗中傷する通報その他の不正を目的とする通報を行った場合は就業規則に従って懲戒処分を行うことができる。

3 教職員等(ただし、第2条第4号エは除く。)は、不当要求行為があったときは、これを拒否するとともに、その内容を記録(書面のほか、音声記録、録画など)しておかなければならない。

(受付・相談窓口)

第5条 理事長は、内部通報又は不当要求行為に係る通報の受付及び相談に関する業務を行うための受付・相談窓口を設置する。

2 理事長は、前項の業務の一部について、守秘義務を課した上で法律事務所に委託することができる。

第2章 公立大学法人大阪市立大学内部通報等審査委員会

(委員会の設置)

第6条 理事長は、第1条の目的を達成するために、公立大学法人大阪市立大学内部通報等審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は次に掲げる事項を審議する。

(1) 規程の制定及び改廃の審議に関する事項

(2) 内部通報又は不当要求行為に係る対応に関する事項

(3) 前各号に掲げるもののほか、内部通報又は不当要求行為に係る重要事項

(委員会の構成及び委員の任期)

第7条 委員会は、次の各号に掲げる者をもって構成する。

(1) 理事長が指名する教員

(2) 法人運営本部事務部長

(3) 弁護士資格を有する者

(4) その他、理事長が必要と認めた者

2 委員会に委員長を置く。

3 委員長は委員の中から互選により選出する。

4 委員長に事故がある場合は、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代行する。

5 第1項第1号第3号及び第4号に掲げる委員の任期は、3年とし、重任を妨げない。ただし、補欠による委員の任期は、前任者の任期の残りの期間とする。

6 委員は5名で構成し、うち半数以上は学外の者とする。

(委員会の会議)

第8条 委員会は、委員長が招集し、その議長となる。

2 委員会は、委員の過半数の出席をもって成立する。

3 委員会の議事は、出席者の過半数で決する。可否同数の場合は委員長が決するところによる。

4 委員会が適時開催できないときは、委員長の判断により委員会の開催を略し、審議事項を明記した文書を各委員に送付することにより意見を聴取し、第6条第2項に規定する業務を行うことができるものとする。

5 前項による場合は、委員長は直近の委員会において、その経過を報告するものとする。

6 委員長及び委員は、自己に関する事項については、議事に加わることができない。

7 委員長は、年度末毎に理事長に対し、委員会の活動状況を報告しなければならない。

第3章 内部通報

(内部通報等)

第9条 教職員等は、通報対象行為が行われた、行われている又は行われるおそれがあるときは、第5条第1項に規定する受付・相談窓口にその旨を通報又は相談(以下「内部通報等」という。)するものとする。

(通報及び相談の方法)

第10条 教職員等は、前条に規定する内部通報等を行う場合、受付・相談窓口に電話、電子メール、ファクシミリ、郵送、面談のいずれかの方法で行うものとする。

2 教職員等は内部通報等を行うに際し、原則、氏名を明らかにして行うものとする。

(受付及び報告)

第11条 受付・相談窓口は、内部通報等を受け付けたときは、速やかに理事長に報告するものとする。

2 前項において内部通報者の氏名は、これを報告しない。ただし、あらかじめ本人の同意を得たときは、この限りでない。

3 教職員等(ただし、第2条第4号エは除く。)が内部通報者から誤って内部通報等を受けたときは、受付・相談窓口に連絡するよう、内部通報者に教示しなければならない。

(内部通報等に対する措置の検討)

第12条 理事長は、前条第1項により報告を受けたときは、委員会に調査の検討を指示する。

2 委員会は、前項の指示があったときは、第6条第2項第2号に基づき、内部通報等として受理するのか否かを決定するとともに、受理したときは調査を実施するのか否かを決定する。

3 委員長は、前項の決定について速やかに理事長に報告し、承認を得る。

4 前項において内部通報者の氏名は、これを報告しない。ただし、あらかじめ本人の同意を得たときは、この限りでない。

5 委員長は、第2項の決定について遅滞なく内部通報者に通知する。この場合において、内部通報等として受理しないとき又は調査を実施しないときは、その理由も併せて通知する。

6 通知を希望しない内部通報者に対しては、前項の通知は行わない。

7 委員会は、内部通報等の内容が法人の他の規程により、その対応が明確に規定されているときは、委員会で審議の上、当該事案を所管する担当部局へ引き継ぐことができる。

(判断基準)

第13条 内部通報等が次のいずれかに該当する場合は、受理しない。

(1) 通報対象行為に該当しないことが明らかな場合

(2) 虚偽の通報、他人を誹謗中傷する通報その他の不正を目的とすることが明らかな場合

(3) 内部通報者に当該事案の内容について説明を求めても内容が把握できない場合

(4) 匿名による通報である場合。ただし、当該通報を信じるに足りる相当の理由、証拠が認められる場合はこの限りでない。

(調査)

第14条 委員長は、第12条第2項により調査を実施することを決定し、同条第3項により理事長から承認を得たときは、当該通報対象行為について関連する業務を所掌する部局長又は被通報者が属する部局長(以下「調査責任者」という。)に調査を指示する。ただし、当該通報対象行為が緊急かつ重要な事案である場合には、委員会独自で調査を行うものとする。

2 調査責任者は、次の方法により調査を行う。

(1) 関係資料の調査

(2) 関係者からの事情聴取

(3) その他事実関係の解明に必要な調査

3 調査責任者は、調査の実施に当たって、内部通報者が特定されないよう調査方法に十分に配慮しなければならない。

4 調査責任者は、委員長に調査結果の報告を行うものとする。

(協力義務)

第15条 教職員等は、調査責任者から内部通報等に係る事項の事実関係の調査について協力を求められた場合は、当該調査に対し積極的に協力するものとし、正当な理由がない限りこれを拒むことはできない。

(調査結果及び是正措置等)

第16条 委員長は、調査結果を理事長に報告する。

2 前項において内部通報者の氏名は、これを報告しない。ただし、あらかじめ本人の同意を得たときは、この限りでない。

3 調査の結果、通報対象行為に該当する不正行為が明らかになったときは、理事長は当該不正行為の是正措置、告訴、告発及び再発防止のために必要な措置(以下「是正措置等」という。)を講ずる。

(調査結果の通知)

第17条 委員長は、調査及び是正措置等について被通報者のプライバシーに配慮の上、内部通報者に遅滞なく通知するものとする。ただし、通知を希望しない内部通報者に対しては、この限りでない。

(懲戒処分)

第18条 理事長は、第16条第1項の報告により通報対象行為に該当する不正行為が明らかになったときは、就業規則により懲戒処分を行うことができる。

2 理事長は、内部通報者が通報対象行為に関与している場合において、当該内部通報者に対して当該関与を理由として懲戒処分を行うときは、内部通報を行った事情を斟酌して懲戒処分の種類及び程度を決定するものとする。

(守秘義務)

第19条 この規程に定める内部通報等の業務に携わる者は、内部通報者及び被通報者の個人情報、内部通報等の内容及び調査により知り得た秘密の保護に努めるとともに正当な理由なくして、これを開示してはならない。内部通報等の業務に携わらなくなった後も同様とする。

(不利益な取扱いの禁止)

第20条 理事長は、内部通報等を行ったことを理由として、当該内部通報者に対し、解雇(派遣労働者又は請負契約その他の契約に基づき法人の業務に従事する者にあっては、当該契約の解除)その他の不利益な取扱いをしてはならない。

2 理事長は、内部通報者、内部通報等の業務に携わった者の職場環境又は修学環境が悪化することのないように、適切な措置を講じなければならない。

(関係者の排除)

第21条 理事長は、被通報者を当該被通報者に係る内部通報等の業務に関与させてはならない。

第4章 不当要求行為に対する対応

(不当要求行為に関する対応)

第22条 教職員等(ただし、第2条第4号エは除く。)は、不当要求行為があったと認めるときは、第4条第3項で規定する記録をするとともに、第5条第1項に規定する受付・相談窓口に報告しなければならない。

2 受付・相談窓口は、不当要求行為の報告を受けたときは、理事長に報告するものとする。

3 理事長は、前項の報告を受けたときは、委員会に調査を指示する。

4 委員会は、前項の指示に基づき、不当要求行為があったのか否かを審議するとともに、不当要求行為があったと認めるときは、その対応策を審議した上で、理事長に報告する。

5 理事長は、前項の報告に基づき、不当要求行為の行為者に対して、書面による警告、捜査機関への告発その他不当要求行為を中止させるために必要な措置をとるものとする。

(公表)

第23条 理事長は、前条第5項の措置をとったにもかかわらず、不当要求行為の行為者が不当要求行為を中止しないときは、その旨を公表することができる。

第5章 補則

(事務)

第24条 この内部通報又は不当要求行為に関する事務は、関係部局の協力を得て、内部監査室において行う。

(雑則)

第25条 この規程に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。

附 則

この規程は、平成25年4月1日から施行する。

附 則(平成29年6月16日規程第102号)

この規程は、平成29年7月1日から施行する。

公立大学法人大阪市立大学内部通報及び不当要求行為に関する規程

平成25年3月18日 規程第21号

(平成29年7月1日施行)

体系情報
第2章
沿革情報
平成25年3月18日 規程第21号
平成29年6月16日 規程第102号