○大阪市立大学研究不正の対応に関する規程

平成27年4月1日

規程第155号

(趣旨)

第1条 この規程は、大阪市立大学(以下「本学」という。)における研究活動の不正に係る調査、認定、是正指導及びその他必要な対応の手続きについて定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、「研究不正」とは、次の各号に掲げる行為をいう。

(1) 故意若しくは重大な過失により研究費の不正使用又は不適切な会計処理を行うこと

(2) データその他の研究成果のねつ造、改ざん又は盗用を行うこと

(3) 前2号の行為に係る証拠の隠滅又は立証の妨害を行うこと

(4) その他研究活動において研究者倫理に反する不適切な行動をとること

(調査)

第3条 不正に係る調査は、次の各号(以下「調査の開始事由」という。)の一に該当するときにこれを行う。

(1) 学内外からの告発等の通報又は相談(以下「通報等」という。本人によるものを含む。以下同じ。)が行われたとき

(2) 公立大学法人大阪市立大学内部通報及び不当要求行為に関する規程第12条第7項の規定に基づき、公立大学法人大阪市立大学内部通報等審査委員会(以下「内部通報等審査会」という。)から不正に係る調査事案の引き継ぎが行われたとき

(3) その他学術・研究推進本部長が調査を行う必要があると認めたとき

2 調査の開始事由が生じたときは、学術・研究推進本部長は速やかに理事長に報告しなければならない。

(研究不正調査委員会)

第4条 不正の事実の有無及び不正の内容についての調査及び認定等を行うため、研究不正調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置く。

(調査委員会の組織)

第5条 調査委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 学術・研究推進本部長

(2) 文系研究科長の代表

(3) 理系研究科長の代表

(4) 学外の有識者

(5) その他学術・研究推進本部長が特に必要と認める者

2 前項に定める委員は、通報等を行った者(以下「通報者」という。)及び調査の対象とされる者(以下「調査対象者」という。)と直接の利害関係を有しない者でなければならない。

3 第1項第4号に該当する委員の数は、委員の総数の2分の1以上でなければならない。

4 第1項に定めるほか、調査委員会が必要と認めるときは、調査委員会の下に調査部会を置き、調査をさせることができる。

5 前項に定める調査部会の構成は、事案に応じ調査委員会が定める。

(委員長)

第6条 調査委員会に委員長を置き、学術・研究推進本部長をもって充てる。

2 委員長は、調査委員会を代表し、会務を掌理する。

3 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長が指名した委員がその職務を代理する。

4 前条第2項の規定により、学術・研究推進本部長が調査委員会の委員となることができない場合、その他理事長が適当でないと認める場合は、学術・研究推進本部長の委員の任を解き、第1項の規定に関わらず、理事長が委員の中から委員長を指名する。この場合において、第3条第3号第5条第1項第5号第10条及び第11条第1項中「学術・研究推進本部長」とあるのは「理事長」と読み替える。

(議事)

第7条 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。

2 委員会は、委員の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4 委員長が必要と認めたときは、委員以外の者に委員会への出席を求め、意見を聴取することができる。

(調査委員会の任務)

第8条 調査委員会は、次の各号に掲げる任務を行う。

(1) 不正事実の調査及び認定

(2) 不正に使用された研究費の相当額の調査及び認定

(3) 調査結果、不正発生要因、不正に関与した者が関わる他の研究費における管理・監査体制の状況及び再発防止計画等を含む報告書の作成

2 前項第1号及び第2号の認定を行うにあたっては、調査委員会は、調査対象者に書面又は口頭による弁明の機会を与えなければならない。

(研究不正予備調査委員会)

第9条 第3条の規定により調査を行うにあたり、調査の開始事由の内容の合理性を確認し調査の要否を判断するため、調査委員会の下に研究不正予備調査委員会(以下「予備委員会」という。)を置く。

(予備委員会の組織)

第10条 予備委員会は、第5条第1項各号に掲げるもののなかから、学術・研究推進本部長が指名する3名以内の委員により組織する。

(予備委員会の任務)

第11条 予備委員会は、第3条各号に定める調査の開始事由が生じた日(以下「調査開始基準日」という。)から起算して30日以内に調査の要否を判断し、当該調査の要否の判断結果を学術・研究推進本部長に報告しなければならない。

2 学術・研究推進本部長が前項の報告を受けたときは、速やかに理事長、当該研究に係る研究費の配分機関(以下「配分機関」という。)及び通報者に対して報告しなければならない。ただし、不正内容が第2条第1号以外であり、かつ、予備委員会の判断が調査の必要なしの判断である場合は、配分機関への報告を省略するものとする。

3 予備委員会が必要と認める場合は、調査の要否を判断するにあたり、学外の専門家に助言を求めることができる。

(調査手続き)

第12条 調査委員会は、調査の実施に際し、調査方針、対象及び方法等について配分機関に報告又は協議しなければならない。

2 調査委員会が調査を開始するときは、理事長は、通報者及び調査対象者に対して、調査を開始する旨並びに調査委員会の委員の氏名及び所属を通知しなければならない。ただし、不正内容が第2条第1号に該当するときは、調査委員会の委員の氏名及び所属の通知については省略するものとする。

3 前項の通知を受けた通報者及び調査対象者は、委員の組織が第5条第2項の規定に照らし不適当であると思料するときは、通知を受けた日から7日以内に理事長に対して委員変更の申立てをすることができる。ただし、不正内容が第2条第1号に該当するときは、この限りでない。

4 前項の委員変更の申立てが行われ、当該申立ての内容及び理由が妥当であると理事長が認めるときは、当該申立てに係る委員の任を解くとともに、その旨を通報者及び調査対象者に通知しなければならない。この場合において、当該申立てに係る委員が第5条第1項第1号に定める委員であるときは、第6条第4項の規定を準用する。

(調査結果の報告)

第13条 調査委員会は、調査開始基準日から起算して210日以内に調査を完了し、第8条第1項第3号に定める報告書をもって理事長及び配分機関に報告しなければならない。ただし、不正内容が第2条第1号以外であるときは、期間についてはこの限りでない。

2 不正内容が第2条第1号に該当し、かつ、前項に定める期間内に調査を完了できない場合は、途中経過の報告書をもって理事長及び配分機関に報告しなければならない。

3 調査委員会は、調査の過程であっても、不正の事実を一部でも確認した場合は、速やかに理事長及び配分機関に報告しなければならない。

4 前3項に定めるもののほか、配分機関が求めるときは、調査の進捗状況報告又は当該事案に係る資料の提出、閲覧供与若しくは現地調査に応じなければならない。

5 調査委員会は、調査完了後速やかに、調査結果の概要を通報者及び調査対象者に通知しなければならない。

(調査協力)

第14条 調査対象者及び調査対象者の所属する部局等の関係者(以下「関係者等」という。)は、調査委員会及び予備委員会(以下「両委員会」という。)が行う調査に協力しなければならない。

2 関係者等は、両委員会から調査のために必要な資料の提出を求められた場合は、これに応じなければならない。

(調査期間中における研究費の一時執行停止)

第15条 理事長が必要と認めるときは、調査対象となる研究の研究費について、調査期間中における研究費の一時執行停止を行うことができる。

2 前項の措置を行うにあたり、学術・研究推進本部長及び両委員会は、理事長に対して意見を述べることができる。

(認定に基づく措置)

第16条 理事長は、第13条第1項の規定により調査結果の報告を受け、不正の事実が確認された場合は、速やかに必要な措置を講じるものとする。

2 前項の措置を理事長が行うにあたり、その措置内容の決定に資するために、調査委員会は次に掲げる事項を理事長に具申することができる。

(1) 対象研究者の教育研究活動の停止措置に関すること

(2) 対象研究者の研究費の使用停止又は返還措置に関すること

(3) その他必要な措置に関すること

(調査結果の公表)

第17条 理事長は、不正の事実が確認された場合は、調査結果を公表するものとする。

(不服申立て)

第18条 調査対象者は、第13条第5項の規定により通知を受けた調査結果の内容に不服があるときは、通知を受けた日から7日以内に理事長に対して不服申立てをすることができる。ただし、不正内容が第2条第1号に該当するときは、この限りでない。

2 前項の不服申立てがあったときは、不服申立の趣旨、理由等を精査して再調査の要否を判断するため、理事長は研究不正不服申立審査委員会(以下「不服申立審査委員会」という。)を設置しなければならない。ただし、不服申立ての趣旨、理由等が明らかに不十分、不適当であると理事長が認めるときは、この限りでない。

3 不服申立審査委員会は、事案に応じ、理事長が指名する委員により組織する。

4 理事長は、不服申立審査委員会の審査結果に基づき、再調査の要否を判断する。ただし、第2項ただし書による場合は、不服申立審査委員会の審査を経ずに、理事長が再調査の要否を判断する。

5 理事長は、再調査の要否の判断結果を調査委員会、通報者及び調査対象者に通知しなければならない。

6 再調査を行う場合は、理事長が定める方法によりこれを行う。

(不利益取扱いの禁止及び名誉回復)

第19条 理事長は、通報等を行ったこと、両委員会が行う調査に協力したこと等に起因して、通報者及び調査に協力した者が不利益を受けないよう十分配慮しなければならない。

2 理事長は、調査委員会の認定の結果、不正が存在しなかったことが確認された場合は、調査対象者の本学における教育研究活動の正常化及び名誉の回復に努めなければならない。

(悪意による通報等に対する処分)

第20条 通報者が悪意により虚偽の申立てを行ったことが判明した場合は、理事長は調査委員会の意見を徴したうえで、公立大学法人大阪市立大学就業規則第48条の規定に照らして必要な処分を行うことができる。

(守秘義務)

第21条 不正に係る調査に携わる者は、通報者及び調査対象者の個人情報、通報等の内容及び調査により知り得た秘密の保護に努めるとともに、正当な理由なくしてこれを開示してはならない。不正に係る調査の業務に携わらなくなった後も同様とする。

(事務)

第22条 通報等の受付に関する事務及び両委員会の事務は、大学運営本部研究支援課において行う。

(施行の細目)

第23条 この規程の施行について必要な事項は、理事長が定める。

附 則

(施行期日)

1 この規程は、平成27年4月1日から施行する。

(公立大学法人大阪市立大学研究行動基準委員会規程及び大阪市立大学研究費の不正に係る調査委員会規程の廃止)

2 公立大学法人大阪市立大学研究行動基準委員会規程及び大阪市立大学研究費の不正に係る調査委員会規程は廃止する。

附 則(平成30年3月30日規程第101号)

この規程は、平成30年4月1日から施行する。

大阪市立大学研究不正の対応に関する規程

平成27年4月1日 規程第155号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第7章 研究支援
沿革情報
平成27年4月1日 規程第155号
平成30年3月30日 規程第101号