○大阪市立大学医学部附属病院 臨床研究審査委員会規程
平成30年3月20日
規程第98号
(目的)
第1条 本規程は、大阪市立大学大学院医学研究科(以下「医学研究科」という。)及び大阪市立大学医学部附属病院(以下「附属病院」という。)に所属する研究者及び医師等(以下「研究者等」という。)又は他の臨床研究機関及び医療機関の研究者及び医師等が行う臨床研究に対して、ヘルシンキ宣言、臨床研究法及び関連する法律、政令、省令、告示の趣旨に則って、大阪市立大学医学部附属病院臨床研究審査委員会(以下「委員会」という。)が倫理的及び科学的観点から行う審査意見業務に関する基本的考え方及び手順を定めることを目的とする。
(委員会の責務)
第2条 委員会は、次の各号に掲げる臨床研究について審査し、これらの実施の適否、利益相反管理基準と利益相反管理計画、また実施にあたって留意すべき事項について意見を述べるものとする。これらの臨床研究の開始後は、疾病等の報告、不具合の報告、定期報告等についても意見を述べる。
(1) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」という。)に定められた未承認薬、適応外の医薬品等の臨床研究
(2) 製薬企業等から資金提供を受けて実施される当該製薬企業等の医薬品等の臨床研究
(3) 前2号以外の臨床研究
2 委員会は、倫理的及び科学的観点から審査を行うものとする。
3 委員会は、中立かつ公正に審査を行うものとする。いずれの研究も平等に取り扱わなければならない。
4 臨床研究法第29条に従い、臨床研究法第23条第1項第2号から4号までの意見を述べたときは厚生労働大臣に報告する。
(組織)
第3条 委員会は、設置者である公立大学法人大阪市立大学理事長(以下「理事長」という。)が選任する下記の委員をもって構成する。
(1) 医学・医療の専門家
(2) 臨床研究の対象者の保護及び医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者
(3) 前2号に定める委員以外の、一般の立場の者
2 委員会は男性及び女性がそれぞれ1名以上含まれており、かつ5名以上で構成されなければならない。
3 同一の医療機関に所属する者は半数未満とする。
4 大阪市立大学に属さないを2名以上含むものとする。
5 法令違反等の欠格事項のある者は委員になることはできない。
6 委員の任期は1年とする。ただし、再任を妨げない。
7 補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
8 委員会に委員長及び副委員長を置く。委員長は、委員の互選によりこれを定め、副委員長は、委員の中から委員長が指名する。委員長に事故があるときは、副委員長がその職務を代理する。
9 委員会に事務局を置く。事務局は委員会運営の一切を担う。事務局は専従者2名以上を含む4名以上の者で構成する。
(1) 医学・医療の専門家の出席
(2) 臨床研究の対象者の保護及び医学又は医療分野における人権の尊重に関して理解のある法律に関する専門家又は生命倫理に関する識見を有する者の出席
(3) 一般の立場の者の出席
(4) 大阪市立大学に所属しない者の複数出席
(5) 男性、女性それぞれ1名以上の出席
(6) 5名以上の委員の出席
(7) 同一の医療機関に所属する者は出席者の半数未満であること。
(技術専門員)
第5条 委員会は、研究を行うことの適否の判断の前提となる特定の専門的事項について、必要に応じて次に掲げる技術専門員から意見を聴取する。
(1) 疾患領域の専門家
(2) 生物統計家
(3) 臨床薬理の専門家
2 技術専門員は、委員会から意見を求められたときは、速やかに評価を行い、評価書を提出しなければならない。
(利益相反管理)
第6条 委員は、誓約書(様式1)及び利益相反自己申告書を新規就任時に提出するものとする。任期中に利益相反事項に変更がある場合は、速やかに自己申告しなければならない。
(1) 審査意見業務の対象となる研究の研究責任医師または研究分担医師
(2) 審査意見業務の対象となる研究の研究責任医師と、同一の医療機関の診療科に属する者または過去1年以内に多施設共同研究(特定臨床研究または医師主導治験に該当するものに限る)を実施していた者
(3) 審査意見業務を依頼した研究責任者が所属する医療機関の管理者
(4) 審査意見業務を依頼した研究責任医師または審査意見業務の対象となる研究に関与する医薬品等製造販売業者等と密接な関係を有している者であって、当該審査意見業務に参加することが適切でない者
3 研究を申請しようとする研究責任医師は、利益相反管理規準と利益相反管理計画を作成し、委員会に提出しなければならない。
(教育)
第7条 理事長は委員、技術専門員および事務局(以下「委員等」という)に教育・研修の機会を確保し、次の各号に挙げる教育研修を受けさせる。ただし、委員等が同等の教育又は研修を受けていることが、文書等で確認できれば新たな受講は必須としない。
(1) 新任教育:就任時。倫理教育プログラム(事務局の指定するもの)
(2) 継続教育:新任教育受講の翌年度以降。少なくとも年に1プログラム以上
2 事務局は、定期的に受講記録を確認し、受講状況に応じて、受講を促すなどの適切な対応を行う。また、年一回理事長に文書で報告する。
(運営と委員長の責務)
第8条 委員長は委員会を招集し、議長となる。
2 審査意見業務に係る結論を得るに当たっては、出席委員全員から意見を聴いた上で、原則として、出席委員の全員一致をもって行うよう努めなければならない。ただし、委員会において議論を尽くしても、出席委員全員の意見が一致しないときは、出席委員の過半数の同意を得た意見を当該委員会の結論とすることができる。
3 委員会は、研究者等を委員会に出席させ、実施計画等について説明を求めるとともに、意見を述べさせることができる。
4 委員会における審査の概要は、文書にて遅滞なく、全ての委員に周知する。
5 委員会は、年12回以上、定期的に開催するものとする。
(審査依頼及び報告)
第9条 第2条各号の研究等を実施(研究計画書を変更して実施する場合を含む)しようとする研究責任医師は、臨床研究に関する倫理並びに研究の実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修を受講していなければならない。
2 研究責任医師は、第2条各号の研究等を実施しようとするときは、所定の様式に必要な添付資料を添えて、委員会開催予定日の4週間前までに委員長に審査依頼をしなければならない。
3 研究責任医師は、委員会から研究内容等について説明又は資料の要求があった場合には、応じなければならない。
4 研究責任医師は、臨床研究の開始後、進捗を定期的に委員会に報告するとともに、疾病等の報告や不具合の委員会への報告を、関連する法令等の規定に従って遅滞なく行うものとする。
(審査)
第10条 委員会は、研究責任医師から意見を求められた申請内容についての適否その他の事項に関して審査する。
(1) 承認
(2) 不承認
(3) 継続審査
3 なお、誤字脱字などの修正のみを求める場合は附記とする。
(緊急的な審査及び簡便な審査)
第11条 重大な疾病等や不適合事案が発生した場合であって、臨床研究者の対象者の保護の観点から緊急に措置を講じる必要がある場合においては、委員長と委員長が指名する委員による緊急的な審査を行うことができる。この場合も、審査意見業務の過程に関する記録は作成しなければならない。
2 研究計画書の軽微な変更(臨床研究従事者の職名変更等)など臨床研究の実施に重要な影響を与えない場合は、委員会の指示により、委員長と委員長が指名する委員による確認を行うことができる。ただし、内容の変更を伴わない誤記等については、委員会の指示により、研究責任者が修正を行う。
(審査料)
第12条 委員会は、審査意見業務の対象となる研究について、当該研究責任医師等から別表1に定める審査に要する費用(以下「審査料」という。)を徴収する。
2 審査料は、別表1に定める額に消費税法(昭和63年法律第108号)及び地方税法(昭和25年法律第226号)の定めによる税率を乗じて得た額とする。
3 審査料の見直しが生じる際は、研究者間に不公平感が生じないよう、十分な配慮のもと導入を実施する。なお、審査料徴収時の不公平な徴収が避けられない場合は、別途措置を講じることとする。
(結果の通知)
第13条 委員長は、委員会において審査した結果を、審査後2週間以内に研究責任医師に文書で報告しなければならない。
2 研究責任医師は、所属する医療機関の管理者に審査結果を報告しなければならない。
(議事録等)
第14条 事務局は、委員会開催後すみやかに議事録を作成し、委員長の確認と承認を得る。
(審査記録等の保存)
第15条 事務局は、委員会の審査意見業務に際して用いた資料や作成した記録について、所定の保管庫に保管するとともに電子的な記録整備も行い、これらの資料や記録は当該研究の終了後5年間保存するものとする。
2 事務局は、審査意見業務に関する事項を記録する帳簿に備えるものとする。帳簿は最後の記入がなされてから5年間保存するものとする。
(情報の公開)
第16条 事務局は委員会に関わる次の情報を、研究責任医師が容易に収集して審査意見業務を依頼できるように、所定のウェブサイトやデータベースを利用し、遅滞なく公開するものとする。
(1) 運用規程(本文書)
(2) 委員構成
(3) 議事録等
(4) 審査手数料(本文書の別添)
(5) 開催日程
(6) 受付日(受付期限)
(7) 受付状況
(8) 審査結果通知日
(9) 申請相談先と相談内容
(守秘義務)
第17条 委員会の委員及びその事務に従事する者は、審査意見業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その業務に従事しなくなった後も同様とする。
(相談窓口)
第18条 研究対象者からの苦情等の相談受付窓口を設置する。研究責任医師と事務局の両方に置く。
2 上記の相談窓口の名称と連絡先を、研究対象者への同意説明文書に記載するなどの方法で周知する。
(委員会の設置と認定、認定更新、廃止)
第19条 理事長は、委員会の設置に際して、臨床研究法及び厚生労働省令の定めるところにより、厚生労働大臣に委員会の認定の申請を行うものとし、認定を受けた上で審査意見業務を実施するものとする。
2 理事長は、認定を受けた後に認定申請時に提出した情報に変更のあった際は、厚生労働大臣に変更の申請を行い、承認を受けた上で変更を実施するものとする。
3 理事長は、第一項の認定を受けてから有効期間の満了日の90日~60日前までに、臨床研究法及び厚生労働省令の定めるところにより、期間の更新手続きを取る。
4 理事長は、委員会を廃止したときは、厚生労働大臣に届け出るものとする。なお廃止に先駆けて、委員会が審査意見業務を行っている臨床研究の研究責任医師に、委員会の廃止予定を通知しなければならない。また、当該研究の実施に影響を及ぼさないよう、他の認定臨床研究審査委員会を紹介するなどの適切な措置を講じなければならない。
5 委員会の認定申請時の申請書、その添付書類、業務規程、委員名簿を、委員会の廃止後5年間保存する。
(施行の細則)
第20条 この規程の施行について必要な事項は、委員会の議を経て委員長が定める。
附 則
この規程は、厚生労働大臣が認定臨床研究審査委員会として本委員会を認定した日から施行する。
附 則(平成30年12月26日規程第158号)
この規程の一部変更は、厚生労働大臣が平成30年12月26日付臨床研究審査委員会認定事項変更申請を承認した日から施行する。
別表1
臨床研究の審査に関する料金表
区分 | 大阪市立大学内の依頼者 | 大阪市立大学外の依頼者 | |
特定臨床研究 | 新規申請 | 80,000 | 200,000 |
変更申請 | 9,000 | 9,000 | |
定期報告 | 9,000 | 9,000 | |
臨床研究法施行前からの継続分 ※特定臨床研究 | 新規申請 | 20,000 | 50,000 |
変更申請 | 9,000 | 9,000 | |
定期報告 | 9,000 | 9,000 | |
その他の臨床研究 | 新規申請 | 40,000 | 100,000 |
変更申請 | 9,000 | 9,000 | |
施設加算料(1施設あたり) | 9,000 | 9,000 |
※ 大阪市立大学に所属する研究者からの新規申請費用については、本学に交付された研究費の間接経費等による本委員会への支出を考慮し、学外申請の5分の2とする。
※ 臨床研究法施行前からの継続分の新規申請費用については、審査にかかる負担軽減分を考慮に入れ、特定臨床研究の4分の1とする。
※ その他の臨床研究の新規申請費用については、審査にかかる負担軽減分を考慮に入れ、特定臨床研究の2分の1とする。
※ 上記金額は代表施設から申請のあったものに適用となる。
※ 上記金額は、単施設研究、及び10施設までの多施設共同研究に適用となる。
※ 多施設共同研究で10施設を超える場合は、上記金額に加え、超過施設数に施設加算料を乗じた金額についても、新規申請時に徴収する。なお、多施設共同研究で10施設を超える場合の変更申請時は、上記金額に加え、新たに追加になった施設数のみに施設加算料を乗じた金額を徴収する。
※ 単施設研究から多施設共同研究に変更となった場合や、研究デザインが大きく変更となった場合は変更申請には該当せず、新規申請として取り扱う。
※ 疾病等の発生報告については審査料を徴収しない。