市大かわら版Web第12号

 

「三大学学生研究討論会60周年記念式典」に出席して

経済学研究科長 脇村孝平

今年は、通称では「三商大ゼミ」と呼ばれる「三大学学生研究討論会」が始まって60周年の記念の年に当たります。これを記念して、11月27日(土)午前10時45分より、一橋大学・佐野書院にて「三大学学生研究討論会60周年記念式典」が催されました。この「三商大ゼミ」という通称における「三商大」という言葉は、言うまでもなく、かつて東京商科大学(1920年に大学に昇格)、大阪商科大学(1928年昇格)、神戸商業大学(1929年昇格)が「三商大」と並び称されたことに由来します。ただし、この「三商大ゼミ」そのものは、三商大が戦後において新制大学となった後の1951年に始まりました。1949年の新しい学校教育法の制定により、それぞれ一橋大学、大阪市立大学、神戸大学という新しい名称となり、組織や性格も大きく変貌しました。それにもかかわらず、これら三大学の商・経営・経済・法の諸学部は、ゼミ討論会という形態で相互の交流を持ち続けたのです。「三商大」が無くなって後、「三商大」という伝統が維持されたとも言えるでしょう。

60周年記念式典には、三大学の多数の教員および学生が参加いたしました。特に、同日の午後、多くのゼミ討論会が予定されていたため、それらに参加する100名近くの学生たちがこの式典に参加したことは意義深いことでした。式典では、一橋大学側を代表して杉山武彦学長(本年12月に退任)、神戸大学側を代表して萩原泰治経済学研究科長、そして大阪市立大学側を代表して私が式辞を述べました。

今回の式典に際して取り分け感慨深く思ったことは、「三商大ゼミ」が、それぞれの大学当局の関与無しに、基本的には有志の学生および教員の自主性に任されて60年も続いてきたという事実です。既に述べたように、1949年の学制の抜本的変更の後は、「三商大」という呼称はありえなかったし、三大学の間の共通性も薄れていった中で、ある種の「伝統」というものが、このような形で継承されていったということは驚きに値します。そのようなことに思いをいたしますと、行財政改革の煽りを受けつつ、大変厳しい状況に置かれている大阪市立大学であればこそ、このような歴史的資産を大切にすべきだと強く感じられます。なぜならば、「三商大ゼミ」の伝統は、我が大学のアイデンティティの根幹に関わる貴重な歴史的資産に他ならないからです。60周年を良い機会に、今後の「三商大ゼミ」のあり方に関して、大学当局の関与も含めて、今後の更なる発展を目指す必要を感じました。なお最後に、今回の式典の挙行に当たって、一橋大学経済研究所の都留康教授および本研究科の海老塚明教授の尽力が大きかったことを付言しておきたいと思います。

杉山一橋大学長(式典当時)の挨拶

脇村経済研究科長の挨拶

会場の様子

左から杉山一橋大学長、萩原神戸大学経済学研究科長、脇村経済学研究科長、盛一橋大学副学長