教職課程について
1 教員養成の目標
本学は、8学部10大学院研究科からなる都市型総合大学の特性を活かし、これまで大阪市・大阪府をはじめとして関西圏を中心とした高等学校、中学校に数多くの教員を輩出してきました。特に、研究型大学として教科専門性を深く追求できる教員、さらに、教科や総合的な学習の時間等において生徒に探究させるための指導ができる教員を養成しています。また、教科の専門性のみならず、人権教育に関心の強い教員を養成することを目指します。
2 目標を達成するための計画
手続き等 | 1年次 | 2年次 | 3年次 | 4年次 |
各年次における目標 | 教職の意義、教員の職務について基本的事項を理解する。 | 学校教育の基本的事項に関する知識を習得する。 教科等の専門的な知識・技能を習得する。 教科等の指導法に関する基礎理論・知識を習得する。 児童生徒の発達や学習指導要領の内容を理解し、授業を実践する能力を身につける。 |
教員の職務を実践できる基本的な資質能力を身につける。 教育実習での学びを意義付け、教職をより深く理解する。 教師として学び続けることの意義を理解し、その姿勢をもつ。 |
|
大まかな年次別単位修得例 | ・「教職概論」 ・1年次配当の「教科及び教科の指導法に関する科目」 |
・2年次配当の「教諭の基礎的理解に関する科目等」・「教科及び教科の指導法に関する科目」 | ・3年次配当の「教諭の基礎的理解に関する科目等」・「教科及び教科の指導法に関する科目」 | ・「教育実習」 ・「教育実習事前事後指導」 ・「教職実践演習」 |
・「日本国憲法」「体育」「外国語コミュニケーション」「情報機器の操作」の科目に設定されている全学共通科目(又は専門科目) ・「教科又は教職に関する科目」に設定されている全学共通科目(「現代の部落問題」等)、専門科目(「教職ボランティア実習」等) |
・「教育実習」の履修条件に必要な科目を3年次終了までに全て修得する | |||
教職課程登録 | 【10月または11月】 全学教職課程ガイダンス |
|||
教職履修カルテ面談 |
【前期】1回目 教職履修カルテ面談 |
【後期】2回目 教職履修カルテ面談 |
||
介護等体験 (中学校免許取得希望者のみ) |
4年次は教育実習があるため、3年次後期までに介護等体験を済ませておくことが望ましい。 【5月もしくは10月】 介護等体験申込 ※ 体験は申込の翌学期以降に実施される。 介護等体験ガイダンス(5日間) 介護等体験ガイダンス(2日間) |
|||
教育実習 | 【4月または5月】 教育実習ガイダンス |
【4月~5月】 「教育実習事前指導」(5回+特別支援学校参観) 【6月または9月頃】 教育実習開始 【7月または11月頃】 「教育実習事後指導」(1回) 【後期】 「教職実践演習」 |
||
教員免許一括申請 | 【~10月頃】 一括申請申込 【3月卒業式当日】 免許状授与 *個人申請の場合は各自都道府県教育委員会にて申請 |
3 教員の養成に関する組織
教職課程の運営にあたっては、「大阪市立大学教職課程委員会規程」を定め、教育推進本部の専門委員会として教職課程委員会を設置して運営しています。同委員会は、原則として教員免許を取得することができる各研究科および人権問題研究センターから選出された教員から構成され、教職課程の運営に関する事項の審議を定期的に行います。
4 教員養成課程
本学では、学部の課程において、中学校教諭一種・高等学校教諭一種・栄養教諭一種の教育職員免許状を、大学院の課程において、中学校教諭専修・高等学校教諭専修・栄養教諭専修の教育職員免許状を取得することができます。教育職員免許状を取得するためには、教育職員免許法に基づき、必要な単位等を修得する必要があります。詳細は、「教職課程 履修の手引き」や各学部の履修要綱等に記載されています。
【取得できる免許状の一覧】
(注) 取得できる免許は入学年度・各学部(研究科)・学科(専攻)で異なります。
※教育職員免許状を取得するためには、教育職員免許法に基づき、必要な単位等を修得する必要があります。
5 教員養成に係る教員数・教員が有する学位・業績・授業科目
教員養成に係る教員数 436名
教員が有する学位・業績についてはこちら
授業科目(シラバス)についてはこちら
6 卒業者の教員免許状取得状況及び教員就職状況
7 教員養成に係る教育の質の向上に係る取組など
① 教職履修カルテ面談
教職に関する科目の必修科目である「教職実践演習」の一環として導入されています。学生ひとりひとりの教職関連科目の履修状況とその内容の理解度等の学習状況、および教師としての力量形成につながる経験について、自らの教職科目の履歴や学校内外の活動をふまえて振り返り、教職キャリア形成に向けての今後の課題を考察する面談を2年次、3年次それぞれ毎年1回行います。
各面談は、30~40分で、学生と担当教員とが「教職課程科目評価シート」「教職課程自己評価シート」を利用して行います。具体的には、まず、学生は自分の「教職課程科目評価シート」を閲覧し、これまでの科目履修や教職課程外での様々な活動を振り返ります。「教職課程自己評価シート」に学生が教員と相談しながら記入し、それを踏まえて、将来、教員になる上で自己にとって何が課題であるのかを確認し、これから何をしていくかを考えます。面談の結果は「教職実践演習」の個々の学生の指導に活用されます。また、教職カリキュラムの充実に必要な情報は、教職課程委員会等に報告されます。
② 教職ボランティア実習
「教職ボランティア実習」では、大阪市学校支援学生ボランティア制度を通じて、教職課程で学ぶ学生を大阪市内の小中学校、幼稚園に派遣しています。学校園におけるボランティア経験は、大学での教職関連科目の学修に深みを持たせ、また、自らの教職適合性を具体的に考える契機となります。
③ 教育実習
教育実習教育実習の履修は、最終学年(第4年次)とし、高等学校教員免許の取得希望者は2週間、中学校教員免許の取得希望者は3週間の期間履修することを原則とします。また、大阪府・市教育委員会と連携協力に関する協定書を結んでおり、出身校以外の学校においての教育実習(協力校実習)を実施しています。大阪市立大学の推薦と受け入れ校の協力を得て、大阪府立高等学校、大阪市立中学校・高等学校(栄養実習の場合のみ大阪市立小学校を含む)で教育実習を行うことができます。
④ 教職支援
経験豊かな教職支援特任研究員による進路相談や教員採用選考対策セミナー等を行っています。教員採用選考前の模擬面接対策では、個人面接から集団面接まで、本番さながらの雰囲気で丁寧に指導を行います。また、教職支援コーナーでは教員採用試験関係図書を自由に読むことができます。
⑤ 介護等体験
介護等体験は、平成10年4月1日より施行された「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律」(平成9年法律第90号、平成9年6月18日)に基づき、教員としての資質の向上を図り、義務教育の一層の充実を期する観点から、小学校または中学校教諭の免許状の授与を受けようとする者に、障がい者、高齢者等に対する介護、介助、これらの者との交流等の体験を行わせるものです。本学の場合、社会福祉施設で5日間、特別支援学校で2日間、計7日間の体験を行うことになっています。
⑥ 教育職員免許状の申請について
教育職員免許状の申請は、各都道府県の教育委員会に申請し、授与されます。申請の際に必要な「学力に関する証明書」は、教育推進課教務担当(証明書担当)にて発行されます。なお、毎年3月卒業及び博士課程修了予定者の教育職員免許状の申請については、大学が取りまとめて申請を行う制度(一括申請)があります。本学でも一括申請の制度を利用して、教員免許の申請を行っています。