第39回市民講座「大阪のまちづくりと幸福生活」
平成22年10月5日(火)、8日(金)、12日(火)、15日(金)、19日(火)、22日(金)の6日間にわたって、「市民講座」を開催します。
今年のテーマは「大阪のまちづくりと幸福生活」です。大阪市立大学では各研究科で特色のある優れた研究が行われています。最前線の学術研究について、本学の教員がわかりやすくお話します。
講座紹介
10月5日(火) | 都市における健康長寿の実現を支える運動 都市健康・スポーツ研究センター 教授 渡辺 一志 |
日本における少子高齢化問題は、過疎の進む地方のみならず、都市においても大きな課題の一つと言えます。大阪市の高齢化率は、2025年には30%に至ると推計されています。都市における高齢者の健康を維持・増進することは、ポジティブにこの問題に対峙することではないでしょうか?定期的な運動・トレーニングは、高齢者においても持久力や筋力などの体力を向上し、さらに、体脂肪率や血圧などの生活習慣病指標の改善をもたらすことが明らかにされています。 本講座では、都市における生活環境の変化と健康長寿の実現を支える運動・スポーツについて考えます。 | |
10月8日(金) | 大阪市立大学医学部附属病院における患者・医療関係者の絆づくり 医学研究科 教授 荒川 哲男 |
大学病院は「権威」の象徴として位置づけられてきました。それは、高度で先進的な医療が提供できる人材と設備を擁するからです。しかし、それが「権力」に映ると、良い医療には結びつきません。医療は患者さんと医療者の共同作業で成り立っています。その共同作業をスムーズに動かすためには患者・医療者の良好な関係が不可欠です。当病院は「笑顔の大学病院」を目指し、"Smile, service, science(笑顔、奉仕、科学するこころ)"をキャッチフレーズに、患者・医療者の絆を深めるさまざまな企画を実行しています。ここでは、それらの取り組みを紹介しながら、病院が「白い冷たい箱」ではなく、「温かい生活空間」になるために何が必要かを一緒に考えてみましょう。 | |
10月12日(火) | 子どもと家族を支える地域福祉活動: みなくるハウスの実践 生活科学研究科 教授 山縣 文治 |
虐待を受けて心身に大きな傷を残してしまったり、時には命を落としてしまったりする子どもたちに関する報道が絶えません。なぜ、このような状況になってしまったのでしょうか。どうすれば、このような子どもたちを減らすことができるのでしょうか。 私は、5年ほど前から、地域の人たちと一緒に、みなくるハウスという子育て支援活動に取り組んでいます。拠点にやってくることによって、親が地域のなかで子育て仲間と出会う機会を作ること、親子が地域の人たちが相互に出会う機会をつくること、それを通じて親子と地域の人たちが相互に関心を持ち合う機会となること、などを目的にしています。このような活動が、虐待の予防となることを信じています。 講座では、現代の親子の置かれている状況や、みなくるハウスの活動などについてお話ししたいと思います。 | |
10月15日(金) | 大阪のまち再生・・・長屋を活かす〜人をつなぐ 生活科学研究科 教授 藤田 忍 |
大阪の長屋は、これまでまちの宝物とは思われず、空家になっては取り壊されるということが多かったのです。ところが、長屋がとても魅力的な資源である、その可能性を持っているということに気付き始めました。大事に維持管理する、耐震補強をする、お洒落に改修する、そうすることでお店や住まいとして蘇るのです。長屋のまちを舞台にしたアートイベントも行われるようになりました。長屋を活かすまちづくりを進めるために、人をつなげていく・・・そんな作戦を考えてみたいと思います。 | |
10月19日(火) | 都市と家庭のエネルギー有効利用 工学研究科 教授 中尾 正喜 |
地球温暖化対策がますます重要となる中、都市でエネルギーはどのくらい使われているのでしょうか。都市で冷暖房や給湯に使用されるエネルギー消費の実態を統計データにより確認した上で、特に熱エネルギー消費を低減する基本技術(ヒートポンプ、コージェネレーション、熱回収)について学びます。また、身近にできる省エネルギー対策として、家庭用空調機の効率を改善する方策などについても学びます。最後に都市のエネルギー有効利用のために今後必要となる対策について一緒に考えてみましょう。 | |
10月22日(金) | 大阪における就職困難な人々への雇用・福祉統合型の新しい支援策 ―欧州アクティベーション政策との比較で考える― 経済学研究科 教授 福原 宏幸 |
日本では、世界的な経済不況を背景にワーキングプア問題が深刻化している。しかし、この問題は、欧米先進諸国では1980年代以降突きつけられてきたものであり、アクティベーション政策(就労に向けた活性化政策)が実施されてきた。 日本政府もまた、2009年以降、こうした政策を志向しつつあるが、地方自治体やNPOなどに目を向ければすでにいくつかの先進的な雇用・福祉統合型の新しい支援策が取り組まれてきた。中でも、大阪府と府内市町村による取り組みは、支援手法においても実績においても評価しえるものだろう。この就労支援の試みを、欧州の取り組みとの比較で考える。 |
主催:大阪市立大学
時間・会場・申込方法等
時間 | 午後6時30分~8時 |
会場 | 大阪市立大学 文化交流センター (大阪駅前第2ビル6階) |
定員・対象 | 120名(16歳以上の方) |
受講料 | 1回500円(受講者には資料配布) |
修了証 | 4日以上出席の方に授与 |
申込方法 | ○申込フォーム(フォームへリンク) |
申込締切 | 9月24日(金)。往復はがきの場合、必着。定員を超えた場合は抽選となります。 ※抽選結果は9月末頃返信します。 |
項目 | 詳細 |
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開催日 |