第40回 市民講座「近代大阪のまち・ひと・くらし」―大阪に再び天守閣が建った時代―
大学の教育と研究成果を広く一般市民へ還元することを目的として1972年から始まった大阪市立大学市民講座は、今回で40回目を迎えます。今年は、財団法人大阪市博物館協会との包括連携協定を締結したことを記念して、平成23年10月7日、14日・21日・28日の4日間、「近代大阪のまち・ひと・くらし」―大阪に再び天守閣が建った時代―をテーマとした特別講座を開催します。
20世紀初頭「大大阪(だいおおさか)」と呼ばれた時代、大阪は文化・芸術の中心都市となり、1931年には、市民の寄付金により大阪のシンボルとして大阪城天守閣が復興されました。こうした時代について、建物、風俗の側面からふりかえり、「大大阪」の時代の基礎条件となった江戸時代の様子も含めて明らかにしてゆきます。
講座紹介
テーマ 「近代大阪のまち・ひと・くらし」―大阪に再び天守閣が建った時代―
10月7日(金) | 大阪城天守閣復興 1931年 ―市民力がつくり上げた大大阪の文化施設― 生活科学研究科 教授 谷 直樹 |
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昭和戦前期における大大阪の文化施設を考察するため、まず、当時の関西の近代建築を紹介した「近代建築画譜」を資料として、大阪・京都・神戸の文化施設を抽出し、3都市の比較を行う。 次に、大阪の文化施設を、娯楽的文化施設と教養的文化施設に分けて、設置状況や建築意匠、都市との関連について見る。 最後に、大阪城天守閣の復興経緯と建築意匠を考察して、他都市にはない特色を確認し、現在のまちづくりに示唆する点を考えたい。 |
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10月14日(金) | 「大大阪」の光と影 ―巨大都市で働き、暮らした人々― 文学研究科 准教授 佐賀 朝 |
1925年の第二次市域拡張で大阪市は日本最大の都市になった。 この「大大阪」で人々は、どのように働き、暮らしたのだろうか。 本講義では、巨大都市を生きた庶民の視点から、その光と影の両面を照射したい。庶民生活と関係の深かった銭湯で働く「三助」や、多くは年少者である新聞売り子、あるいは新市域の洋風長屋に住み、都心部へ通勤した俸給生活者など、住民諸階層の多様な生活に触れながら、「大大阪」という社会の実像を復元してみたい。 |
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10月21日(金) | 出土資料からみた近代「大大阪」の礎 ―”鎖国期”の大坂とヨーロッパ― 大阪文化財研究所 主任学芸員 松本 啓子 |
江戸時代、幕府の物心両面におよぶ統制の中、大坂は日本経済を掌握し、 “鎖国”の渦中であっても、巧みにヨーロッパ、中国をはじめとした海外の文物を輸入していた。日本経済を担った大坂城下町と各藩の大坂蔵屋敷の発掘調査から、当時の物流や経済状況の変遷を検討し、近代「大大坂」の形成前夜を考えてみたい。 | |
10月28日(金) | 「大大阪」モダン・ガール風俗考 大阪歴史博物館 学芸員 中野 朋子 |
大大阪の時代、心斎橋筋を中心として発信された大阪のモダニズム。その潮流は大きな拡がりをみせ、多くの老若男女で賑わった心斎橋筋の繁栄は、東京・銀座のそれになぞらえて「心ぶら」と呼ばれた。 本講義では、「心ぶら」を楽しんだモダンガール、モダンボーイのファッションの様相と心斎橋筋から発信された“尖端的”な文化について、当時の記録等を振り返りながら紹介していく。 |
主催:大阪市立大学、(財)大阪市博物館協会
時間・会場・申込方法等
日時 | 平成23年10月7日、14日、21日、28日 各金曜日(全4回) 午後6時30分~8時 |
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会場 | 大阪市立大学 文化交流センター ホール (大阪市北区梅田1-2-2-600 大阪駅前第2ビル6階) |
対象 | 16歳以上の方 |
定員 | 120名 |
受講料 | 4回分 2,000円(受講者には資料配布) |
修了証 | 4回すべての出席者に「記念修了証」を授与します。 |
申込方法 |
※受講申込をされた方には、受講証(又は受講許可メール)を送付いたします。 |
申込締切 | 9月21日をもって締切ました。 申込された方全員に受講票を郵送又は メールにて送付いたします。 9月30日までに受講票が届かない場合、下記お問い合わせ先までご連絡ください。 |
申込・問い合わせ先 | 〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138 大阪市立大学 学務企画課「市民講座」担当 電話:06-6605-3504 FAX:06-6605-3505 |
項目 | 詳細 |
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開催日 | 2011年10月07日(金) - 2011年10月28日(金) 18:30 - 20:00 |