公立大学法人大阪市立大学
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医学研究科・井上教授が監修の運転疲労に対する抗疲労レンズの効果の実証実験

2010年08月11日掲載

研究・産学

大阪市並びに公立学校法人大阪市立大学は、平成22年8月14日(土)から8月29日(日)までの間、大阪市営バス運転手が抗疲労レンズ(偏光サングラス)を着用した状態で運転し、運転に伴う疲労軽減の可能性について実証実験を行います。

近年、職業運転手の運転時における疲労対策が課題となっており、特に夏の運転時には、日中の強い日差しや地面からの照り返しなど、運転手の目は過度な負担のかかる状態に晒されていることから、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積されていきます。
大阪市の中小企業支援拠点である大阪産業創造館では、「抗疲労・癒し」分野を中心とした科学的根拠を持つ商品・サービスの開発に取組む企業グループ「疲労☆バスターズ」を結成し、大学・研究機関とも連携しながら事業化に向けたコーディネートや企業間マッチングなどのサポートを実施しています。
この度、「疲労☆バスターズ」会員企業のタレックス光学工業株式会社の商品「ザ・レンズTALEX」は、地面の照り返しや反射光などを除去するレンズで、大阪市立大学大学院医学研究科 井上正康教授との共同研究により疲労軽減効果があると動物実験の結果(参考資料(PDF))が出たことから、大阪市交通局との企業間マッチングの一環として実証実験を実施するものです。
今回の実証実験では、運転手が抗疲労レンズを着用した時と非着用時との肉体的・精神的疲労度合いを比較し、その効果の検証を目的としています。

実証実験の概要

実験期間 平成22年8月14日(土)から8月29日(日)まで
対象者 大阪市営バス港営業所内の運転手(40~50歳代 男性)
メガネ(コンタクトレンズ含む)使用者  10名程度
同         不使用者 10名程度
合計 20名程度
実験内容
  • 着用時間は9時から18時までの日照時間内を対象とします。(雨天時は中止します。)
  • 対象者には、実験期間中のバス乗車前及び後の2回、自覚的疲労感に関するアンケート調査を実施します。
  • 1週間(連続5日(もしくは6日)勤務)の勤務シフトの中で、最初の2日間は抗疲労レンズを着用していない状態での疲労状況を、その後2日間は着用して疲労度合いの変化を、そして残りの1日(6日勤務の場合は2日)は再び着用していない状態での疲労度合いの変化を調査します。
  • 1週間の勤務シフトを1セットとして、これを2セット実施します。
  • 実験内容及びアンケート結果の集計・分析は、大阪市立大学大学院医学研究科分子病態学 井上正康教授の監修で実施します。
「ザ・レンズTALEX」
について
  • 薄さ0.03mmの繊細な偏光フィルターを2枚のレンズで挟んでおり、この偏光フィルターが紫外線や地面の照り返し、反射光などをカットし、動物実験によって「紫外線や乱反射光による疲労が軽減される」という結果を得ています。
  • 主な使用実績としては、自動車の運転をはじめとして、水面の照り返しを除去することから釣りをされる方や、芝生がはっきりと認識できることからゴルファーにも愛用されています。
  • タレックス光学工業株式会社(大阪市生野区田島4-5-6)
    幕末から続く眼鏡レンズ発祥の地・田島町(大阪)で生まれた世界唯一の偏光レンズ専門メーカーで、偏光フィルターの製造からレンズの最終仕上げまで、自社工場で一貫生産し、全行程の60%以上をハンドメイドで行なっています。