理系学舎建設予定地の土壌汚染調査結果について
大阪市立大学は、理系学舎整備事業の仮研究棟の建設予定地において土壌汚染調査を行いましたが、一部の地点で基準値を超過する結果となりました。
なお、周辺地域で地下水の飲用利用等はないことから、周辺住民の方々の健康への影響はないものと考えています。
また、現在使用中の理学部本館1期棟及び2期棟の一部についても、平成24年9月~11月に解体し、この時点で土壌汚染調査を実施する予定ですが、この土壌汚染調査に先立って、理学部本館周辺の地下水を採取し、汚染物質の有無について調査します。
- 調査の概要
(1)調査場所
(住居表示)大阪市住吉区杉本3丁目3番138号(住居表示)
(地番表示)大阪市住吉区杉本3丁目155番1、155番3、155番15 の各一部
(調査対象面積)2,617.04平方メートル
(2)調査期間
平成23年4月1日~平成23年4月28日
(3)調査内容
土壌汚染対策法に準拠した土壌汚染状況調査
(調査物質)
1,2-ジクロロメタン、ベンゼン、カドミウム及びその化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、水銀及びその化合物、鉛及びその化合物、砒素及びその化合物、ふっ素及びその化合物、ほう素及びその化合物、有機リン化合物(計12物質)
(4)調査結果
29区画(2,617.04平方メートル)中9区画(776.26平方メートル)において、鉛及びその化合物並びにふっ素及びその化合物に基準値(土壌溶出量)を超過しました。なお、基準値超過の9区画については、土壌汚染対策法に基づき「※形質変更時要届出区域」に指定されています。
項目 指定
基準
(mg/L)検出
最大値
(mg/L)超過濃度範囲(mg/L) 地上からの調査深度 (m) 基準超過
区画数
/全区画数備考 鉛及びその化合物 0.01 以下 0.017 0.015~0.017 旧表層面※から-0.5
(※GL-1.05~-1.1)2/29 基準値の1.7倍 0.040 0.017~0.040 下水配管下※から-0.5
(※GL-1.53~-2.51)4/29 基準値の4倍 ふっ素及びその化合物 0.8 以下 2.5 1.0~2.5 旧表層面※から-0.5
(※GL-1.10~-1.25)4/29 基準値の3.125倍 1.4 1.0~1.4 下水配管下※から-0.5
(※GL-1.53~-2.34)3/29 基準値の1.75倍
(現在の地表面では基準不適合はありませんでした。)
※形質変更時要届出区域:土壌汚染の摂取経路がなく、健康被害が生ずるおそれがないため、汚染の除去等の措置が不要な区域 - 汚染の原因
汚染原因の詳細については不明ですが、過去(昭和30年~平成5年頃)に教養部の生物・地学実験室として土地利用されていたことの影響が否定できないと考えています。 - 周辺住民の健康への影響
溶出量基準は超過しておりましたが、周辺250m以内に地下水の飲用利用が確認されておらず、上水道が完備されておりますので、住民の方々の健康への影響はないものと考えています。 - 工事における対策
仮研究棟建設工事に際しては、汚染土壌の拡散の防止を図りながら施工を行い、場外に搬出する汚染土壌については許可施設においてセメントリサイクルを行うなどの適正処理を実施します。なお、建設工事の着工は8月初旬を予定しています。 - 理学部本館周辺での地下水調査
調査地点:4ヶ所(図.3 地下水調査地点図を参照下さい。)
調査対象:過去に使用したことのある物質(1(3)の12物質と同じ)について行います。
調査時期:平成23年7月下旬~8月中旬
※ 調査結果につきましては、結果が判明しだい公表します。