公立大学法人大阪市立大学
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第1回 震災を考える日の取組み(2011/06/02) 地域防災フォーラム

2011年06月02日掲載

法  人

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平成23年6月2日(木)、第1回「震災を考える日」の取り組みとして、防火・防災総合訓練の後、午後6時30分から学術情報総合センターにおいて、東北地方太平洋沖地震を契機に、防災に関し地域との連携を検討していくため、住吉区や依羅及び苅田南連合振興町会、我孫子南中学校等とともに「地域防災フォーラム」を開催いたしましたが、地域の住民の方や本学の教職員・学生など約250人が参加し10階の大会議室がほぼ満員となる盛況ぶりでした。

冒頭、住吉区から、「地域防災フォーラムについては、今回の震災を機に、防災をテーマにフォーラムを開催することにより、防災意識の向上と地域コミュニティづくりの重要性を再認識し、中・高・大学生といった若い方々の参加等により地域の輪を広げ、災害に強いコミュニティづくりを目指すことを目的として開催するもので、このフォーラムをきっかけに市立大学と行政、地域と連携を深めてまいりたい。」とあいさつがありました。

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また、平松大阪市長がフォーラムにサプライズ訪問され、「被災地に行き、すべてのものが津波によって流されてしまう、また、それだけではない被害というものを目の当たりにした時に、この国難、未曽有の事態を乗り越えるには、支え合う、そしてお互いのことを思いやる気持ちこそが、今一番大事であるという気持ちになった。そうしたことをきっかけに防災フォーラムを実施することとした。自助・共助そしてようやく公助というような中で、今こそ皆さんのつながりというものが大事になってくる。まず自分が助かる、そして自分の周りを見渡して、あの人は大丈夫なのかといった動きをすることが必要になるので、皆さんには実際に積み重ねていただきたい。今日の話を持ち帰っていただき、この地域を守るにはこうしたらよいといった会話が生まれることを期待している。」とあいさつがありました。

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現地レポートとして本学からは、医学部附属病院の平井副課長が、茨城県常陸大宮市でのDMAT隊や岩手県釜石市での医療救護隊の派遣・引上げなど市大病院の活動について写真などを交えながら報告を行いました。

その後、住吉区の防災アドバイザーである生活科学研究科の生田先生から「地域で災害に備えよう~地域防災とは~」と題し、「大規模災害時には公的な救援が間に合わない可能性がある、高齢者が増加する一方で若年者が減少、地域のつながりの希薄化などから地域防災を推進する取組みが必要である。地域の安全・安心は地域住民自らが考えて行動していく。地域防災の第一歩は地域を知る・地域でつながること。地域防災の主役は若い人である。」といった内容の基調講演が行われました。

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公開討論では、生田先生がコーディネーターを務め、本学からは宮野副学長とボランティアセンター学生スタッフの井上さんがパネリストとして参加しました。
その中で、「市立大学では防災に関して地域との連携に関してどのように取り組まれているのか。」との質問に対し、宮野副学長から「今後、大学が地域の中にあって、これまで広域避難場所としての位置付けはあったが、今回の大規模な震災を考えた時には、収容避難所としての位置付けを住吉区とも協議をしながら考えていかなければいけない。ただし、大学は実験器具や化学薬品などを所有しており、安全性を確保しなければ被災者の方を受け入れることはできないので、施設の提供までにクリアしなければならない課題はいくつかある。また、若い方が地域に出て行って地域の方を救援するというのは非常に重要なことであり、地域の方の活動を学生がサポートするようなシステムを考えていく必要があると思っている。大学として地域の中で何ができるのかということを考えていくスタートに立ったというところであり、いろいろなご意見をいただきながら一緒に考えていきたい。」と回答がありました。

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また、「ボランティア活動についてどのように取り組まれているのか。」との質問に対し、学生の井上さんから「市立大学ボランティアセンターでは、ボランティアをしたいけどできない、関わりたいけど方法を知らない学生とボランティアを結びつけていきたいと思っている。ボランティアに関わっていきたい気持ちは学生皆が持っており、ボランティアが楽しいということを知れば、新しい人のボランティア参加につながっていくと思っている。 ボランティアをする学生と地域をどのようにつなげていくかはボランティアセンターの課題の一つでもあり、そのために、大学でイベント等を主催し地域の方が大学に来やすい環境や関係を作ったり、地域の方が開催するイベント等を学生に紹介するなど、もっと地域と学生の距離を近づけていけば、実際に災害があった時にも手を差し伸べやすいし、どのように対応したらよいか地域の方にも聞きやすい。そんな機会を作っていくのもボランティアセンターの仕事と思って活動している。」と回答がありました。

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最後に、コーディネーターの生田先生から「地域に大学があるところはめったにないので、うまく連携を図りながら地域防災を推進することができれば、先進的な事例として全国にも広がっていくと思われる。」とのまとめで終了しました。