公立大学法人大阪市立大学
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「市民と高校生のための国際講演会」を開催しました

 平成28年9月3日(土)、あべのハルカス25階にて、「市民と高校生のための国際講演会」が開催されました。このイベントは本学初の、高校生・市民向けの英語による大規模講演会で、「量子と情報」をテーマに世界をリードする研究機関からゲストスピーカーを招きました。満員の会場には制服を着た高校生も多数おられ、最先端の興味深いレクチャーに目を輝かせながら聞き入っている姿が見られました。

 工位 武治 特任教授の司会で午後1時30分に始まった講演会は、まず最初に櫻木 弘之副学長による開会あいさつがあり、続いて講演パートに進みました。

講演者1 Seth Lloyd 教授(マサチューセッツ工科大学)

Quantum Computers and Information Processing:
Quantum Computer Reality
(量子コンピューターと情報: 量子コンピュータの世界)

普段パワーポイント資料はあまり使わないというLloyd教授は、ユーモアたっぷりの手書きのイラストがちりばめられた楽しい資料を使いながら、量子コンピューターが生まれた過程や大量の情報を分析できるしくみについて、分かりやすく解説されました。

講演者2 Christiane Timmel 教授(オックスフォード大学)

Quantum Mechanics and Bird Migration:
Making the Invisible Visible ‒ Shedding Light on the Mystery of Magnetoreception
(渡り鳥と量子スピン: 見えないものを見る - 磁気感受性の謎の解明)

地球の磁場を感知しながら長距離を飛ぶことのできる渡り鳥のメカニズムについて、カラフルなグラフィック資料を用いて熱心に説明されました。

高校生へのメッセージ Michael Nobel博士

 160914-8.jpg最後に、ノーベル財団のマイケル・ノーベル博士(本学特別客員教授:右写真)から、日本の高校生へのメッセージをいただきました。ノーベル博士は、戦後の高度経済成長期に登場した、日本製自動車の技術的な信頼性などを紹介しながら、今求められているのは革新的な技術であること、世界をより良くするためにも多くの高校生がサイエンスの世界に興味を示してほしいこと、何よりも自分の直感を大事に一歩踏み出して欲しいこと、などを熱く語られました。締めくくりとして、「人類が製造した偉大な機械」=「本」をたくさん読むこと、そして世界やインターネットから情報を効果的に獲得するためにも英語のスキルを磨くこと、がアドバイスとして送られました。

参加者の声

 会場の前列で熱心に講義を聞いていた橋本 信歩さん、小川 順生さん、井上 裕貴さんは清風南海高等学校の3年生。「高校の物理の先生にパンフレットをもらい、面白そうだったので参加した。ちょうど興味を持っていることに関連するレクチャーもあり、来て良かった。少し緊張したが質問も出来た。」また、大谷中学校・高等学校の香門 麗さん(高校2年生)は、「ポスターを学校の掲示板で見てこの講演会のことを知った。物理の先生の勧めもあり、科学部の仲間と一緒に参加した。英語のハードルはあるもののプレゼンテーションは分かりやすく、とても勉強になった。」とコメントを寄せてくれました。

 なお、この講演会の様子はインターネットでストリーミング配信され、多くのアクセスをいただきました。