自動車が船を動かす!水素供給の利便性を格段に高めた水素駆動推進船システムを世界で初めて実現!
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この研究発表は下記のメディアで紹介されました。
◆8/7 日経産業新聞
◆8/2 日刊工業新聞
◆8/2 朝日新聞
大阪市立大学複合先端研究機構 特任教授 南 繁行の研究グループと株式会社カレントダイナミックスは、水素供給の利便性を格段に高めた水素駆動推進船システムを搭載した船舶「PHEB-3(Plug-in Hybrid Electric Boat-3)」を新たに開発し、国土交通省の審査に合格しました。
電気で走る船舶は、乗船者の周りで排ガスを出さず静かに航行できることから、クルージング船や作業船、漁船などへの普及が希求されています。これまで我が国にも、水素タンクと燃料電池を船に積み込んだタイプの燃料電池船の試作はありましたが、その実用・普及を妨げているのは、効率や寿命といった機器システム関連の課題とは別に、いかに水素を容易に船に積み込み、実用的に使用できるかという点にありました。
当研究グループは、陸上でその安全性が確証されている燃料電池車を船に積み込み、水素発電システムとして使用することにより、実用性が高く、製作コストも従来の10分の1程度にできる電気推進方式を世界で初めて開発しました。この方式では、岸壁に水素充填ステーションを設ける必要がなく、水素供給は既存の設備との往復を燃料電池車で行います。今後、実証を行うことにより、電動船舶の普及に向けた水素燃料搭載船実用化への新たな道が拓かれると期待できます。
本学でも人工光合成研究センターにおいて、水と太陽光から水素を発生させる研究が鋭意実施されているところです。自然エネルギーから水素を作り出すことが実用化出来た暁には、発電に使える水素燃料が容易に船に搭載でき、電池では困難な大容量の電気エネルギーを安全かつ簡便に搭載した新しい電気推進船が実現できることになります。