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本学から2名も…! サイエンス誌に載った日本人研究者2019

 米国科学振興協会(AAAS)の公式刊行物『Science』に論文が掲載された日本人研究者・グループを紹介する特集本『Japanese Scientist in Science 2019-サイエンス誌に載った日本人研究者』にて本学教員2名の研究成果が紹介されました。
 Scienceは世界三大学術誌とされており、科学の世界において非常に国際的影響力が高いことで知られています。
Science公式Webサイト(https://science.sciencemag.org/

本学教員の研究

 本学から『Japanese Scientist in Science 2019-サイエンス誌に載った日本人研究者』に掲載されたのは、理学研究科 坪田誠教授、医学研究科 細見周平講師の2名です。画像をクリックいただくと掲載ページをご覧いただけます。

「乱流量子気体における人工的散逸とカスケードフラックス」
 200325-14.jpg乱れた流れ-乱流-は、その乱れの中に普遍的な法則があることが知られています。その普遍的法則は、大きなスケールの流れから小さなスケールの流れへ運動エネルギーが輸送されることで成立します。極低温状態でボース・アインシュタイン凝縮を起こした原子気体(量子流体)における乱流の運動エネルギー輸送の直接測定に世界で初めて成功し、乱流の普遍則を支える機構を明らかにしました。ボース・アインシュタイン凝縮を初めて観測した研究者は2001年にノーベル物理学賞を受賞しており、本研究成果は「乱流」の長年の謎を解き明かす偉業といえます。

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理学研究科
坪田 誠 教授

「上皮における小胞体ストレスが防護的なIgA応答を制御する」
 200325-15.jpg 細胞に悪影響を与え、さまざまな疾患の原因になると報告されていた小胞体ストレスに、腸管の炎症に保護的な作用を有するIgAを誘導するという好影響を与える一面があることを明らかにしました。このメカニズムは、腸管小胞体ストレスによる炎症に対する腸管恒常性維持機構として重要な働きであり、難病指定されている潰瘍性大腸炎やクローン病などで知られる炎症性腸疾患の病因解明を紐解く成果と考えられます。

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医学研究科
細見 周平 講師

ご参考

・2019年10月4日掲載 
絶対零度付近でボース・アインシュタイン凝縮をした量子流体においてエネルギー輸送の直接測定に初めて成功し、乱流の普遍則を観測
・2019年3月1日掲載 
悪いストレスが実は良い役割を果たす一面も! 小胞体ストレスが腸管炎症保護作用を有する免疫グロブリンを誘導することが明らかに