ミャンマーでの高度医療推進の一助に:脳神経外科で研修受け入れ
2020年1月20日、医学部学舎において、Yangon General Hospital勤務の脳神経外科医の研修受け入れに伴う開講式が行われました。
今回の研修のため来阪したのは、国立ヤンゴン第一医科大学の脳神経外科教授で、同大学研修病院Yangon General Hospital (YGH)の脳神経外科部長でもあるMyat Thu教授、Maung Maung Aung准教授、シニアレジテントのHein Htet Zaw医師の3人です。本研修は、一般社団法人Medical Excellence JAPAN (MEJ)が推進する経済産業省補助金事業である「ミャンマーにおける民間病院を活用した脳神経外科診療及び人材育成拠点構築プロジェクト」の一環として実施されるもので、会場となった医学部学舎1階の応接室には、受け入れ部署となる脳神経外科の関係者および、プロジェクト関連の企業・団体の代表者、見学の医学研究科学生などが集いました。
冒頭、挨拶に立った大畑建治医学研究科長(脳神経外科教授)は、今年度7月に本学側からヤンゴンを訪問して実施した視察※のご縁もあり、この度本学にて研修されることになった3人を紹介するとともに、「本学での時間が有意義なものとなるよう祈ります」と歓迎の意を述べました。
続いて3人のミャンマー人医師がそれぞれ自己紹介を行ったあと、MEJ、プロジェクトを担当している伊藤忠商事株式会社および日本エマージェンシーアシスタンス株式会社からそれぞれご挨拶と担当分野の説明がありました。その後、今回の研修内容をコーディネートした一ノ瀬努講師より、日々のスケジュールや期間中に扱う手術の症例概要などが説明されました。
その後は講義パートとなり、脳神経外科より高見俊宏病院教授が「頚椎人工椎間板置換術」について、宇田武弘講師が「難治性てんかん手術」について、川嶋俊幸病院講師が「覚醒下脳手術」について、それぞれ本学における症例や研究事例をもとにミニ講義を行いました。また大畑研究科長から、本学脳神経外科全般の取り組みについても改めて紹介がありました。
最後に、MyatThu教授がミャンマーにおける脳神経外科の現状や、これまでの日本との交流の歴史について概観する発表を行いました。ミャンマーの脳神経外科医は現在のころ23人にとどまっており(日本は8,000人超)、専門医育成や医療環境整備、高度な手術技術の習得などが急務とのことです。疾患の傾向やよく行われている手術法などについても意見交換が行われ、互いの理解を深めました。
開講式の最後にはミャンマー研修団からの記念品を頂戴し、参加者全員で記念写真を撮影しました。
ミャンマーからの研修団は約一週間滞在し、さまざまな研修に参加する予定です。このような研修交流を通じ、ミャンマーとの相互交流がより活発になることが期待されます。
※(参考) 2019年8月30日掲載 「注目のミャンマーと活発な交流!」