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スキルス胃癌の原因変異遺伝子の同定に成功! 

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本研究のポイント

◇ スキルス胃癌について、今まで解明されていなかった原因遺伝子と治療標的分子を
 同定した世界初の研究。
◇ スキルス胃癌の治療が大きく前進する可能性を示唆。

概要

 大阪市立大学大学院医学研究科 癌分子病態制御学・消化器外科学 八代正和(やしろ まさかず)研究教授、西村 貞德(にしむら さだあき)大学院生・医師らの研究グループは、スキルス胃癌の原因変異遺伝子としてSTK11/LKB1※1を同定し、スキルス胃癌治療薬としてSTK11/LKB1関連シグナル系を制御するラパマイシンが有用であることを明らかにしました。
 スキルス胃癌は、急速に増殖進展し、高頻度に転移する極めて難治性の癌とされています。しかし、これまでその原因遺伝子や治療標的分子は十分に解明されていませんでした。
 今回、同研究チームは、附属病院で樹立したスキルス胃癌細胞株 6株を用いて遺伝子解析を試みたところ、6株中3株に癌抑制遺伝子STK11/LKB1の変異を同定しました。
さらにサンガ―シークエンス法※2で同遺伝子の変異を確認すると、STK11/LKB1変異型スキルス胃癌細胞ではSTK11/LKB1蛋白質がの発現減弱や機能喪失も確認されました。これを受けて、胃癌細胞株にSTK11/LKB1関連シグナル系を制御するラパマイシンを作用させたところ、スキルス胃癌細胞の増殖が抑制されました。
 スキルス胃癌における原因遺伝子と治療標的分子を解明した世界初の研究であり、この研究成果によって、スキルス胃癌の治療が大きく前進すると考えられます。
本研究成果は、国際科学雑誌Carcinogenesisに、2020年4月3日オンライン掲載されました。

※1STK11/LKB1・・・細胞の増殖や分化などを制御するセリン/トレオニンキナーゼ。
                         様々な生体反応の制御に関与し、癌抑制遺伝子として知られている。※2サンガ―シークエンス法・・・フレデリック・サンガーが開発した塩基配列の決定法。
                                         DNA複製酵素であるDNAポリメラーゼを用いて末端が
                                         特定の塩基に対応するDNA断片を合成しながら配列を
                                         決定する方法。

資金情報

 本研究には科研費(No. 18H02883(M.Y.))を使用しました。

掲載誌情報

発表雑誌:CarcinogenesisIF=4.0
論文名:Serine Threonine Kinase 11/Liver Kinase B1 Mutation in Sporadic
    Scirrhous-type Gastric Cancer Cells
著者:Sadaaki Nishimura,Masakazu Yashiro,Tomohiro Sera,Yurie   
        Yamamoto,Yukako Kushitani1,Atsushi Sugimoto,Shuhei Kushiyama,
        Shingo Togano,Kenji Kuroda,Tomohisa Okuno,Yoshiki Murakami,
        Masaichi Ohira
掲載URL:https://doi.org/10.1093/carcin/bgaa031