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脂肪肝炎の新たな治療法開発に期待!サイトグロビンの発現と肝線維化の関係が明らかに

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本研究のポイント

◇ サイトグロビンが肝線維化の早期診断指標になる可能性
◇ 肝線維化を誘導する物質がサイトグロビンの発現を低下させ、過剰なコラーゲン産生を促すことが明らかに
◇ サイトグロビンの発現誘導剤を用いた肝線維化に対する新たな治療法開発に期待

概要

200421-1.png 大阪市立大学大学院医学研究科・肝胆膵病態内科学の河田 則文教授、松原 三佐子特任講師、翁 良徳大学院生らの研究グループは、肝障害を改善する可能性が期待されているサイトグロビンが酸化ストレスで生じるDNA損傷から細胞を保護する役割があることを明らかにしました。

 ウイルスや飲酒、肥満が原因で生じる肝線維化は難治性疾患であり、治療をしなかった場合は肝硬変へと進展し、その2~8%は肝がんを発症します。先行研究にてサイトグロビンに肝障害を改善する可能性があることは報告されていますが、肝線維化との関連については明らかにされていませんでした。

 そこで本研究では、脂肪肝患者の肝線維化とサイトグロビンの発現変動を調べたところ、肝線維化の進展に伴い、線維化促進因子であるtransforming growth factor (TGF)-βの過剰産生とサイトグロビンの発現量の減少が観察されました。また、サイトグロビン発現の低い患者では、酸化的DNA損傷が増加することを発見しました。この結果は、サイトグロビンが肝線維化の早期診断指標になる可能性を示唆しており、初期段階から治療に取り組むことが可能になるだけでなく、今後サイトグロビンの発現誘導剤を用いた新たな治療法の開発につながる大きな成果といえます。

 本研究成果は2020年4月21日(火)14時(日本時間)に国際学術誌「Journal of Hepatology」(IF= 18.946)に掲載されました。

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資金情報

 本研究は下記の資金援助を得て実施されました。
 科学研究費助成事業『新規肝硬変治療薬の開発を目指した星細胞脱活性化の分子機序解析』(15K08314)、『星細胞におけるサイトグロビン発現調節技術の確立による脱線維化治療法開発』(16H05290)。
 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED) 『星細胞の活性化制御を基軸とする肝硬変治療薬の開発』(18fk0210004h0003)、『リコンビナントCytoglobinを用いた脱肝線維化治療薬開発に関する研究』(19fk0210050h0001)

特許情報

 この研究で発明された『サイトグロビン発現増強剤』(特許6675150)に関して特許を取得しています。

掲載誌情報

【雑誌名】Journal of Hepatology(IF= 18.946)
【論文名】TGF-β-driven reduction of cytoglobin is associated with oxidative DNA damage of stellate cells in non-alcoholic steatohepatitis
【著 者】Yoshinori Okina1, Misako Sato-Matsubara1,2, Tsutomu Matsubara3, Atsuko Daikoku1, Lisa Longato4, Krista Rombouts4, Le Thi Thanh Thuy1, Hiroshi Ichikawa5, Yukiko Minamiyama6, Mitsutaka Kadota7, Hideki Fujii1, Masaru Enomoto1, Kazuo Ikeda3, Katsutoshi Yoshizato2, Massimo Pinzani4, and Norifumi Kawada1
1 大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学、2 大阪市立大学大学院医学研究科合成生物学寄附講座、3 大阪市立大学大学院医学研究科機能細胞形態学、4ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、5 同志社大学 生命医科学部、6 京都府立大学大学院生命環境科学研究科、7 理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センター