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理学研究科の高エネルギー物理学研究室が参画する国際共同研究プロジェクト「T2K collaboration」がNature誌に最新の研究成果を発表

2020年4月15日付けの Nature 誌に、 国際共同研究プロジェクト「T2K collaboration(T2K:Tokai-to-Kamioka)」による、「ニュートリノ振動における物質-反物質対称性を破る位相角を大きく制限」と題する素晴らしい研究成果が発表されました。本論文には、理学研究科・高エネルギー物理学研究室の清矢良浩教授、山本和弘准教授ら6名も共著者として名を連ねています。 

T2K(Tokai to Kamioka)実験は、ニュートリノが飛行中どのように変化するかを研究するために設計されたニュートリノ振動実験です。2011年6月、T2K実験グループはミューニュートリノから電子ニュートリノへの振動現象の探索を行い、世界で初めて、その実験的な証拠を得たと発表しました。現在も12ヶ国 69の大学・研究機関から約500人のメンバーが実験に参加しています。 

今回の論文では、ミューニュートリノが電子ニュートリノに変化する振動と反ミューニュートリノが反電子ニュートリノに変化する振動の相違を99.7%の信頼水準で測定し、ニュートリノにおけるCP対称性の破れを示す兆候を95%の信頼水準で得たことが報告されました。これは物質・反物質の関係にあるニュートリノと反ニュートリノの基本的挙動に違いがあることを示しており、宇宙の形成において、物質が反物質に対して優勢になった理由を解明する手掛かりとなる可能性があります。

【T2K実験においてスーパーカミオカンデで観測された電子ニュートリノ反応事象候補と反電子ニュートリノ反応事象候補の画像】

電子ニュートリノ反応事象候補
電子ニュートリノ反応事象候補
反電子ニュートリノ反応事象候補
反電子ニュートリノ反応事象候補

 

 






【本論文の日本語概要はこちら】
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/102908

【Nature Japan】

Cover Story「ひびの入った鏡:ニュートリノに見いだされた物質と反物質の対称性の破れを示す兆候」