公立大学法人大阪市立大学
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ギ酸を分解し選択的に水素ガスを生成する白金微粒子の触媒機構が明らかに

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本研究のポイント

◇水素を貯蔵できる媒体分子として、二酸化炭素から作り出せるギ酸(HCOOH)に
   着目。
◇今まで解明されていなかったギ酸分解に基づく水素生成のメカニズムを明らかに。

概要

 大阪市立大学 人工光合成研究センターの天尾 豊教授と大学院理学研究科 物質分子系専攻の南 祐輔 大学院生(前期博士課程2年)は、高分子化合物であるポリビニルピロリドンで分散させた白金微粒子が、ギ酸を分解して水素を生成する際の触媒として有効に
機能するメカニズムを明らかに
しました。
 産業革命以来、化石燃料は有用なエネルギー資源として使用されてきましたが、
限りある資源であり、使用時に大量のCO2を排出するため、地球温暖化の主な原因で
あると指摘されています。この問題の解決の一つに、近年、クリーンで持続可能な
エネルギーとして水素(H2)が注目されています。水素を安全に、効率的に輸送・保管するために、エネルギーキャリア(輸送媒体)として液化水素やアンモニアなどが
考えられていますが、本研究では二酸化炭素から作り出せるギ酸(HCOOH)に着目
しました。
 これは、ギ酸を分解して水素を生成する際の触媒として、ポリビニルピロリドン(PVP)で分散させた白金微粒子(Pt-PVP)が有効であることを見出した世界初の研究です。
 本研究成果は、Royal Society of Chemistry (RSC) が発刊する『Sustainable Energy & Fuels』誌に掲載されました。

掲載誌情報

発表雑誌:Sustainable Energy & Fuels (Royal Society of Chemistry発刊)
論文名:Catalytic mechanism for selective hydrogen production based on
           formate decomposition with polyvinylpyrrolidone dispersed platinum
           nanoparticles
著者:Yusuke Minami, Yutaka Amao
掲載URL:https://doi.org/10.1039/D0SE00363H