公立大学法人大阪市立大学
Facebook Twitter Instagram YouTube
パーソナルツール
公立大学法人大阪市立大学
新着情報

世界初!蛍光ナノダイヤモンドを用いた量子温度計により動物個体の発熱を捉えることに成功

2020年09月12日掲載

研究・産学

プレスリリースはこちらから

本研究のポイント

◇量子センサー1を用いて動物個体(線虫C. elegans2)の発熱計測に世界で初めて
  成功
◇化学修飾した3蛍光ナノダイヤモンドによる局所温度の量子計測システムを構築
◇量子センサー技術を用いた代謝機能評価など、生理学分野の研究に応用できる
  可能性を開拓

概要

  大阪市立大学 大学院理学研究科の藤原 正澄(ふじわら まさずみ)講師、手木 芳男教授(てき よしお)教授、生活科学研究科の中台(鹿毛) 枝里子(なかだい(かげ) えりこ)教授、孫 思墨(そん しぼく)大学院生(研究当時、現、宮崎大学医学部博士研究員)、慶應義塾大学 大学院理工学研究科(量子コンピューティングセンター研究員 および チャップマン大学量子科学研究所准メンバー兼任)の鹿野 豊(しかの ゆたか)特任准教授、京都大学 大学院人間・環境学研究科の小松 直樹(こまつ なおき)教授、フンボルト大学ベルリンのオリバー ベンソン教授、アレクサンダー ドームス大学院生らの国際共同研究グループは、化学修飾した蛍光ナノダイヤモンドによる量子温度計測技術を開発し、成熟した動物(線虫C. elegans)個体の発熱を世界で初めて直接的に捉えることに成功しました。量子物理学・ナノ化学・生理学の垣根を超えた異分野融合によって成しえることのできた画期的な研究成果です。

 本研究成果は、2020年9月12日(土)3時(日本時間)、「Science Advances」に掲載されました。 

1量子センサー…量子力学の原理に基づいてさまざまな物理量を超高感度に計測する
                        ことができる。物質、生体の超微弱量(磁気、電場、温度、光等)
                        のセンシングが可能。
2線虫C. elegans…モデル生物として様々な研究分野で広く使われている多細胞生物
                           線虫は成虫で体長1 mmほど、体細胞は約1000個であるが、神経
                           系、筋、消化管、表皮、生殖器など基本的な組織、器官を
         そなえ、ヒト遺伝子の約60〜70%を共通して持つ。
3化学修飾…粒子の表面を化学的な技術を使って操作し、生体内の狙った場所に
                   届けることが可能。ドラッグデリバリー技術に深く関連。

資金情報

 本研究は大阪市立大学戦略的研究・重点研究「スピンフォトニクスイメージングに
よる分析・診断技術の創出」、基盤研究および若手研究、文部科学省人材育成費補助金
「卓越研究員事業」、日本学術振興会科学研究費助成事業(20H00335, 19K14636, 17H02741, 17H02738, 16K13646)、村田学術振興財団、住友財団による支援を受けて行われました。

掲載誌情報

発表雑誌:Science Advances
論文名:Real-time nanodiamond thermometry probing in-vivo thermogenic
    responses
著者:Masazumi Fujiwara†,*, Simo Sun, Alexander Dohms, Yushi Nishimura,
   Ken Suto, Yuka Takezawa, Keisuke Oshimi, Li Zhao, Nikola Sadzak, Yumi
   Umehara, Yoshio Teki, Naoki Komatsu, Oliver Benson, Yutaka Shikano*,
   Eriko Kage-Nakadai *
   †
同等貢献,*責任著者
URL:https://advances.sciencemag.org/lookup/doi/10.1126/sciadv.aba9636