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~血液中の難治性癌細胞同定に成功~ 血液2 mlでリアルタイムに癌の進行度や治療法を判断

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本研究のポイント

◇難治癌に発現するFGFR2をマーカーとして、胃癌患者血液中の癌細胞同定に成功。
◇この同定法は癌の再発予測や、開発中の難治癌治療剤FGFR2阻害薬の適応判断に有用な新しい検出法。

概要

 大阪市立大学大学院医学研究科 癌分子病態制御学・消化器外科学 八代正和(やしろ まさかず)研究教授、黒田顕慈(くろだ けんじ)大学院生らの研究グループは、血液2 mlを用いて、fibroblast growth factor receptor 2 (FGFR2:線維芽細胞増殖因子受容体2型)を発現する癌細胞同定に成功しました。
 スキルス胃癌や胆管癌など難治癌の増殖進展にFGFR2遺伝子異常が関与していることが明らかになっており、FGFRシグナルを治療標的とした分子標的阻害剤の臨床試験が進行中です。同研究グループは、スキルス胃癌細胞がFGFR2タンパクを高発現していることを明らかにしてきたことを生かして、今回、胃癌患者100名の血液を用いて、血液中のFGFR2陽性癌細胞の検出が可能であること、また検出した癌細胞数と切除胃癌組織FGFR2発現や生存率との間に相関があることを明らかにしました。現在、癌遺伝子パネル検査を含め、分子標的薬の適応が摘出された癌組織を検査して判断されていますが、この方法では検査した癌組織が患者に現存する癌ではないため分子標的薬の適応判断が適切でない可能性があります。
 一方、今回の方法は患者血液中の癌細胞をリアルタイムに調べることでより正確な治療薬の判断が可能と考えられます。この研究成果は科学雑誌Cancer Scienceにオンライン掲載されました。

掲載誌情報

【雑誌名】Cancer Science(IF= 4.966)
【論文名】Circulating Tumor Cells with FGFR2 Expression Might Be Useful to Identify Patients Existing FGFR2 Overexpression Tumor
【著 者】Kenji Kuroda, Masakazu Yashiro, Yuichiro Miki, Tomohiro Sera, Yurie Yamamoto, Atsushi Sugimoto, Sadaaki Nishimura, Shuhei Kushiyama, Shingo Togano, Tomohisa Okuno, Masaichi Ohira
【掲載URL】http://dx.doi.org/10.1111/cas.14654

資金・特許等について

本研究には科研費「スキルス胃癌組織構築機序の解明と治療開発:骨髄細胞と癌幹細胞による間質形成の解析(No. 18H02883(M.Y.))」を使用しました。