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従来の検査手法では評価が困難 Fontan術後に特異な肝線維化が生じることを明らかに

プレスリリースはこちらから

この研究発表は下記のメディアで紹介されました。
◆3/9 医療ニュース(WEB)

本研究のポイント

Fontan術後には従来の検査手法(超音波エラストグラフィや血液検査)では正確な評価が難しい特異な肝線維化の進展が高い比率でみられる。
Fontan術後の患者には、少なくとも術後10年以降は肝臓の合併症の有無について専門的な医療機関で定期的な診療を受けていただくことが望ましい。

概要

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 大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学の徳原 大介准教授、趙 有季医員らの研究グループは、Fontan術後の長期経過における合併症として、従来の検査手法(超音波エラストグラフィや血液検査)では的確な評価が難しい特異な肝線維化の進展が認められることを明らかにしました。
 先天性の複雑心疾患に対するFontan手術は、国内で年間400件近く行われる頻度の高い手術です。22名の術後患者(術後中央値14.7年)の方々から肝組織を採取し、従来の検査手法(超音波エラストグラフィや血液検査)が組織学的な線維化の程度を反映するのか検討しました。
 その結果、中程度の線維化が半数以上に、高度な線維化が約3割の方々に認められ、それらの線維化は一般的な肝硬変とは異なり類洞域を中心とした特異なパターン※図1を示すことがわかりました。さらに、肝硬度は術後経時的に上昇するにもかかわらず、門脈圧の影響を受け組織学的な線維化を的確に反映せず、また、線維化マーカーとして用いられる4型コラーゲンやFIB-4 indexなどの血液マーカーも組織学的線維化を反映しないことがわかりました。
 本研究は大阪市立大学医学部、大阪市立総合医療センター、久留米大学医学部、近畿大学奈良病院による共同研究成果で、2021年3月7日(日)14時(日本時間)にHepatology Research(IF = 3.165)に掲載されました。
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図1. Fontan術後、中心静脈圧が上昇し、それに伴い類洞が拡張し、類洞域から門脈域へ線維化が進展すると考えられる。

補足説明

 Fontan手術は、先天性の複雑心疾患に対して国内では年間約400件、米国でも年間約1000件行われる頻度の高い心臓手術。

掲載誌情報

【雑誌名】Hepatology Research (Impact factor = 3.165)
【論文名】Assessing liver stiffness with conventional cut-off values overestimates liver fibrosis staging in patients who received the Fontan procedure
【著 者】趙 有季、加葉田 大志朗、江原 英治、山本 晃、水落 建輝、虫明 聡太郎、草野 弘宣、桑江 優子、鈴木 嗣敏、打田 佐和子、森川 浩安、天野 優雅、木岡 清英、城後 篤志、磯浦 喜晴、濱崎 考史、村上 洋介、徳原 大介
【掲載URL】https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/hepr.13627

資金・特許等について

 本研究は、日本学術振興会 若手研究(18K15725)と国立国際医療研究センター 国際医療研究開発費(30A2001、20A2015)の対象研究です。