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胃カメラ検査の「ニューノーマル」 経鼻内視鏡検査時、患者がサージカルマスクを装着することで飛沫を完全に防ぐことを実証

プレスリリースはこちらから

この研究発表は下記のメディアで紹介されました。
◆3/12 財経新聞(WEB)

本研究のポイント

◇経鼻内視鏡(胃カメラ)検査時の飛沫拡散対策に有効な方法を開発。
◇先端予防医療部附属クリニック MedCity21での732名に対する検証でも安全面に問題はなし。

概要

 大阪市立大学大学院医学研究科消化器内科学の東森 啓(ひがしもり あきら)病院講師らの研究グループは、経鼻内視鏡検査中の患者からの飛沫拡散が、患者にサージカルマスクを装着させるという簡単な方法で抑制されることを本研究で明らかにしました。
 内視鏡検査は、内視鏡術者への新型コロナウイルス感染のリスクが高い処置です。経鼻内視鏡検査でも経口内視鏡検査と同様にマスクを用いる簡便な方法で飛沫の拡散を抑制でき、術者の感染が予防できることが明らかになりました。
 本研究では、まず、マネキンと噴霧器を用いた模擬実験を行い、マスク未装着時には経鼻内視鏡中に口から約1.5m拡散する飛沫が、マスクを用いた防御法により完全に抑制されることが確認され、マスクが飛沫拡散防止に有用であることを実証しました。
 続いて実際に、大阪市立大学医学部附属病院先端予防医療部附属クリニックMedCity21で732名の患者に対して本方法を用いて経鼻内視鏡検査を施行したところ、全例で明らかな有害事象は認められず、安全面でも問題ないことを確認しました。
 本研究成果を用いることによって新型コロナウイルス感染症終息の見通しがつかない中でも必要な内視鏡検査をより安全に実施できるようになることが期待されます。
 本研究の成果は、2021年3月3日(日本時間)に「Clinical Endoscopy」(IF = 1.840)にて発表されました。

掲載誌情報

【雑誌名】Clinical Endoscopy(IF = 1.840)
【論文名】The “new normal” following the COVID-19 pandemic: A simple infection-prevention measure using a surgical mask during transnasal endoscopy
【著 者】東森啓、丸山紘嗣、灘谷祐二、藤原靖弘
【掲載URL】https://www.e-ce.org/journal/view.php?doi=10.5946/ce.2020.291