公立大学法人大阪市立大学
Facebook Twitter Instagram YouTube
パーソナルツール
公立大学法人大阪市立大学
新着情報

加熱式タバコ(電子タバコ)「も」骨折治癒に悪影響 ~骨折治療中は加熱式タバコでも禁煙を!~

2021年08月23日掲載

研究・産学

                                                                         プレスリリースはこちらから
この研究発表は下記のメディアで紹介されました。
◆8/23  マイナビニュース  

本研究のポイント

◇加熱式タバコも燃焼式タバコと同様に細胞生存率を低下させ、骨分化、骨癒合の阻害をもたらすことが明らかに。※日本国内での一般名称:電子タバコ
◇骨折治療中や骨癒合を必要とする手術に際しては、燃焼式タバコだけではなく加熱式タバコの禁煙も勧めるべき。

概要

 

 大阪市立大学大学院 医学研究科 整形外科学の玉井 孝司病院講師、西野 壱哉大学院生らの研究グループは、近年国内でも爆発的に普及している加熱式タバコが燃焼式タバコと同様に細胞生存率を低下させ、骨分化、骨癒合の阻害をもたらすことを明らかにしました。
 燃焼式タバコの骨癒合への悪影響については広く知られていますが、加熱式タバコは体へ及ぼす害が少ないと一部では信じられています。そこで、本研究グループは加熱式タバコが骨癒合に与える影響を基礎的研究にて明らかにすることを目的に、燃焼式、加熱式でそれぞれタバコ抽出液を作成して前骨芽細胞に投与し、細胞生存率と骨分化誘導条件下における阻害作用を評価しました。また、ラットの大腿骨骨切りモデルに対しても各々の抽出液を投与し、4週間後に骨組成、仮骨体積と力学強度を測定しました。その結果、細胞生存率は両群共に時間、濃度に依存して有意に低下しました。骨分化モデルでは、両群ともにALP活性が対照群より有意に低く、動物実験では、骨塩量、仮骨体積、また力学試験における最大荷重、弾性率が両群共に対照の抽出液を投与しない群より有意に低下しました。
 本研究結果から、骨折治療中や骨癒合を必要とする手術に際しては燃焼式タバコだけではなく加熱式タバコの禁煙も勧めるべきであると考えられます。本研究は、2021年8月11日(水)に『The Journal of Bone and Joint Surgery』(IF = 5.284)にオンラインで先行掲載されました。

補足説明

燃焼式タバコ:いわゆる一般的なタバコ。タバコ葉を燃焼させた排煙を吸入する。

加熱式タバコ:電子タバコとも称される。タバコ葉を加熱することで得られるエアロゾルを吸入する。燃焼式タバコより安全と広告された影響もあり、近年日本国内でも爆発的に使用者が増えている。

ALP(アルカリフォスファターゼ)活性:アルカリフォスファターゼは骨新生により骨芽細胞より放出されるため、骨形成マーカとして用いられる。

研究者からのコメント


玉井 孝司病院講師

骨折は勿論、骨癒合を必要とする手術は沢山あります。加熱式タバコが骨癒合にどのような影響を与えるかは今まで分かりませんでした。今回、加熱式タバコが従来の燃焼式タバコ同様に骨癒合に悪影響を及ぼすことが細胞実験、動物実験の結果から明らかとなりました。


西野 壱哉大学院生

 

掲載誌情報

雑誌名:

The Journal of Bone & Joint Surgery

論文名:

Heated Tobacco Products Impair Cell Viability, Osteoblastic Differentiation, and Bone Fracture-Healing

著者:

Nishino, Kazuya, MD; Tamai, Koji, MD, PhD; Orita, Kumi, PhD; Hashimoto, Yusuke, MD, PhD; Nakamura, Hiroaki, MD, PhD

掲載URL:

https://jbjs.org/reader.php?id=209791&rsuite_id=2989010

資金・特許等について

  本研究は、科学研究費補助金(基盤C)(電子タバコのエアロゾル吸入が骨癒合に及ぼす影響の検証と禁煙の有効性評価 [課題番号:19K09604])の対象研究です。