公立大学法人大阪市立大学
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研究・産学官連携

人工光合成研究拠点を利用した二酸化炭素大幅削減に貢献する基盤技術創出

研究成果の概要

提案は、人工光合成研究センターを拠点とし、COP21 の目標を達成可能な大幅に二酸化炭素を削減可能な基盤技術創出につながる次期人工光合成大型プロジェクト確立のために必要な基盤研究の探索及び学内外の研究者との共同提案、大型外部資金獲得を目指した先導的研究を進めることを目的とした。研究成果として国内外でほとんど進められてこなかった半導体光触媒と生体触媒とを複合化した二酸化炭素のギ酸への光還元系の構築、ギ酸脱水素酵素の触媒機構解明、光エネルギーを利用した有機分子合成に基づく革新的二酸化炭素の貯留技術の基礎となる反応系構築等二酸化炭素を削減可能な基盤技術創出につながる基礎研究成果を生み出すことができた。加えて学内外の研究者との二酸化炭素を削減可能な基盤技術創出につながる共同研究の推進、人工光合成技術の新たな利用方法の試みとしたイオン液体を用いた火星環境に近い極限状態での二酸化炭素の光還元系構築を国際共同研究として進めた。外部資金獲得については、これまで進めてきた受託研究に加えて、各構成員が科学研究費助成事業費を獲得するほか、国際共同研究推進として国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))に2件採択、学外研究者との共同提案で文部科学省国家課題対応型研究開発推進事業「大学の力を結集した、地域の脱炭素化加速のための基盤研究開発」へも申請するなど、海外を含む学内外の研究者間の連携が達成できつつある。

第三者評価

評価1
本重点研究では、革新的二酸化炭素削減技術の確立を目的として、学外公募型共同研究や公立大学との連携などの特徴的な取り組みを行いつつ研究を推進している。限られた学内構成員(5名)によって、2年間で25件の国際誌への論文発表をはじめとするきわめて多くの成果をあげ、対外発表を行っている点は特筆すべきである。また、多くの大型研究プロジェクトにチャレンジし、科研費国際共同研究強化(B)などの採択にいたっている。以上の業績は、人工光合成拠点としての役割を十二分に果たしているものと評価される。なお、研究予算については、化学文献DBとして必須のSciFinder利用料のほか消耗物品および旅費を主な使途として適切に活用されている。

評価2
無機化学・生体触媒化学・工業有機分野で業績を持つ学内外の研究者の異分野融合により,革新的なCO2変換反応系の構築や反応機構の解明など多くの研究成果が得られた.これらの研究成果は33報の著書・学術論文として発表されている.科研費国際共同研究Bや企業からの受託研究費なども多数獲得している.従って,世界的な人工光合成拠点としての役割を果たしたと判断した.今後はこれらの研究成果をもとに,大学間連携を含む大型の研究資金の獲得と,COP21の目標達成に重要な役割を果たすことが期待される.