公立大学法人大阪市立大学
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研究・産学官連携

予防医療に活用できる非侵襲的診断装置ならびに拡散バイオマーカーの開発とデータベース構築:健康都市大阪への貢献

研究成果の概要

DNARNAを用いたバイオマーカー開発を行うにあたり大阪市立大学には導入されていなかった次世代シークエンサー(Miseq, イルミナ社製)を購入し、解析を開始した。既に医学研究科では他施設との共同研究でNGSを用いたシークエンスを行い、専用のソフトウエアによる解析を開始してHCV関連データを得ている。また、microRNAを用いたバイオマーカー開発においてはアレイ解析結果とNGSを用いた結果との比較解析を行い、良好な結果が得られることを確認した。以上の研究を継続して行いNGS導入とデータ解析の基盤を作る。

 

第三者評価

評価1

肝臓の予防医学の着眼点として素晴らしい研究計画で、それを実現できる可能性が高い研究者がプロジェクトに参画している。遺伝学的な解析を行うための次世代シークエンサーは強力なツールであり、本プロジェクトの短期的かつ長期的な研究目標達成には必要と思われる。恐らく、倫理審査が承認され、長期的なfolllow-upのデータがたまれば、大きな業績が出る可能性がある。25年度の発表論文(論文業績)は、恐らくこれまで研究代表者が行ってきた研究をまとめたものと思われるが、いずれもIFの比較的高い国際的な一流雑誌である。着実に研究成果を論文化していることから、本研究内容も将来的に論文化が期待できる。25年度の成果として報告書に書かれている、非侵襲的診断法、バイオマーカー開発、遺伝子検査に関する内容も、当初の計画に従って、行われていると思う。

 

評価2

医学の中での予防医学の重要性が高まっている現状において、大阪市立大学先端予防医療センターを拠点とした予防医学の実践を非侵襲的診断法の開発、バイオマーカーの開発、遺伝子検査の開発という3点に焦点を当てて行おうとする本研究の目的は非常に評価できるものである。但し、予防医療センターの開設が本年4月であることを考慮するとまだ2ヶ月半が経過したに過ぎず、予定された研究成果については今後の進展に期待したい。しかし、そうした状況においても次世代シークエンサーを購入し、解析を開始している点は評価できる。おそらく早期に解析も可能になっているのは事前に他大学との共同研究の経験があったためと思われる。非侵襲的診断法の開発には産学連携が必須と考えられるが、研究代表者らはこれまでにも種々の産学連携による経験実績があるため今後の発展が期待される。遺伝子検査については迅速な遺伝子検査の提供に止まらず、予防医療センターという特性を生かしてプレクリニカルな遺伝子異常の検索にも貢献を期待したい。