認知症の早期診断支援に向けた会話型人工知能ロボットの開発
研究成果の概要
認知症にかかる医療・介護人の負担は、認知症患者様を支える家族のみならず、医療現場の人材不足など、それをサポートする社会にとっても大きな課題となっている。本プロジェクトでは、認知症評価基本アルゴリズムを開発し、人工知能・ロボットと組み合わせる事により認知症予備軍の患者抽出が可能かどうかを明らかにするためのパイロット試験を実施する。これにより、認知症の予防、早期発見、医療現場の人材不足解消を実現させ、介護、社会負担等の解決の糸口を見出すことを目的とした。
パイロット試験では、弘済院附属病院 認知症 疾患医療センターの協力の元、一定数の効果計測を行った。
結果、認知症評価基本アルゴリズムと人工知能・ロボットを組み合わせることで、これらに認知症予備群患者の抽出の可能性があること、また、ロボットならではのメリット/デメリットの確認ができた。今後、結果を踏まええ継続した活動を行い、実用化を目指す。
第三者評価
評価1
本研究は、認知症の早期診断支援に向けた会話型人工知能ロボットの開発であり、今期は、パイロット試験がまず施行されている。ロボットによる検査シナリオが適切であるかを検証され、随時検査シナリオの修正改善を行い検査の成立、また、精度の向上を計り、検証研究に臨んでいる。検証結果は、正解率97%でほぼ満足のいく結果となっている。今後実際の検者などを対象にした、研究に入っていく予定である。研究は、順調よく行われ、成果を出していると評価できる。研究費の詳細についてであるが、業務委託の内容をもう少し詳細に説明していただきたい。
評価2
本研究の第一段階として人口知能ロボットの会話アルゴリズムが診断支援検査として成立するか否かの検証が重要である。今回正常群を対象として、医療現場で実際に使用されている認知症検出検査とほぼ同等の結果が得られたことは大きな成果であり、今後のMCI群、軽度認知症群への臨床応用につながるものである。また研究内容に関するプレス発表は日本経済新聞等のメディアにも取り上げられおり、社会的関心の大きさも評価できる。