○公立大学法人大阪市立大学知的財産取扱規程

平成18年6月20日

規程第161号

第1章 総則

(総則)

第1条 この規程は、公立大学法人大阪市立大学(以下「法人」という。)における知的財産の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において、「知的財産」とは、知的創造の結果生み出された知的創作物のうち、次の各号に掲げるものとする。

(1) 特許法(昭和34年法律第121号)に規定する特許権の対象となる発明、実用新案法(昭和34年法律第123号)に規定する実用新案権の対象となる考案及び意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する意匠権の対象となる意匠(以下「発明等」という。)

(2) 半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権の対象となる回路配置

(3) 種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権の対象となる品種の育成

(4) 著作権法(昭和45年法律第48号)第2条第1項第10号の2に掲げるプログラムの著作物及び同項第10号の3、同法第12条の2に掲げるデータベースの著作物(以下「プログラム等の著作物」という。)

(5) ノウハウ(技術情報のうち秘匿することが可能なものであってかつ財産的価値のあるものをいう。)

2 この規程において、「知的財産権」とは前項の知的財産に係る一切の権利(特許を受ける権利等の出願前の権利を含む)をいう。

3 この規程において、「特許権等」とは、発明等に係る特許を受ける権利、特許権、実用新案登録を受ける権利、実用新案権、意匠登録を受ける権利及び意匠権をいう。

4 この規定において、「役職員」とは、法人の役員及び法人と雇用関係にある者をいう。

5 この規定において、「発明者」とは知的財産を創作した役職員をいう。

6 この規程において、「職務発明」とは、役職員が創出した発明等であり、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

(1) 法人が管理する研究費又は施設等を用いて行った研究の結果生じた発明等

(2) 発明等を創作するに至った行為が法人における役職員の過去又は現在の職務に属するもの

第2章 権利の帰属等

(権利の帰属)

第3条 役職員の職務発明に係る知的財産権は、この規程に基づき、原則として法人が承継するものとする。

(第三者との共同研究の場合の取扱い)

第4条 役職員と法人(公立大学法人大阪市立大学を除く)又は個人(以下、「民間企業等」という。)との共同研究に基づく知的財産権については、当該共同研究契約等に記載された持分割合をこの規程に基づき、原則として法人が承継するものとする。

(国からの資金又は第三者からの受託研究の場合の取扱い)

第5条 国からの資金による研究又は民間企業等からの受託研究に基づく権利等については、当該研究契約等に記載された持分割合に従ってこの規程に基づき、原則として法人が承継するものとする。

第3章 届出

(発明等の届出)

第6条 役職員は、その職務に関して発明等を行ったときは、速やかに理事長に書面で届け出るものとする。

2 複数の役職員が共同で発明等をした場合は、発明者の中から代表者(以下、「代表発明者」という)を定め、代表発明者が前項の届出を行うものとする。なお、その場合、共同発明者間の寄与率を届出書に記載するものとする。

(承継の決定)

第7条 理事長は、前条第1項の届出があったときは、第16条に定める発明委員会を招集して、当該発明等が職務発明に該当するか否かを認定し、職務発明に該当すると認定したときは、当該発明等に係る特許権等を法人に承継するか否かを決定する。

2 理事長は、当該発明等に関する前項の認定及び決定が行なわれたときは、当該発明者に対し、速やかに書面で通知する。なお、複数の役職員が共同でなした発明については、代表発明者に対し、通知を行うものとする。

(承継の要否の決定の判断要素)

第8条 法人が当該職務発明に係る特許権等を承継するかどうかの判断は、届出のあった発明等の権利化の可能性や有用性等の諸般の要素を総合的に勘案して行うものとする。

(特許権等の承継)

第9条 第7条第1項の規定に基づき、法人が承継することを決定した発明等に関する特許権等は、第7条2項の通知をもって、法人に譲渡されるものとする。

2 発明者は、理事長が当該職務発明に係る特許権等を法人が承継すると決定したとき、譲渡証書を理事長に提出しなければならない。

(承継後の出願手続)

第10条 理事長は第7条第1項の規定により職務発明に係る特許権等を法人が承継すると決定したときは、特許出願その他知的財産に関して法令で定められた権利保護のために必要な所定の手続き(以下「出願等」という。)を行うものとする。ただし、民間企業等と役職員の間の共同発明に関しては、当該民間企業等からの要望があった場合には、出願前に当該民間企業等に対し、特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利又は意匠登録を受ける権利を譲渡することができるものとする。

2 法人は、前項の出願等及び権利化の手続に際して、当該発明者に必要な協力を求めることができる。

(発明者による出願)

第11条 発明者は、第7条第2項の規定に基づき、職務発明でない又は職務発明であるがその特許権等を法人が承継しない旨の通知を受けた後でなければ、自ら出願等をし、又は発明等に係る特許権等を第三者に譲渡してはならない。

(外国への出願)

第12条 法人は、この規程に基づき大学が承継した特許権等に関し、外国における権利を取得する必要があると認めたときは、当該国における出願及び権利化のための手続きを行うことができる。

第4章 補償金

(補償金の支払い)

第13条 法人は、法人が承継した特許権等について、当該発明者に補償金を支払う。

2 前項の補償金の区分は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 出願等の際に支払う出願補償金

(2) 特許権等の登録時に支払う登録補償金

(3) 特許権等の実施により法人が収入を得た場合の実施補償金

(4) 特許権等の譲渡により法人が得た場合に支払う譲渡補償金

3 前項の補償金の額及び配分比率は、別表のとおりとする。

4 出願補償金、登録補償金は第一国目の出願及び登録についてのみ発生し、二国目以降の出願、登録に関しては発生しないものとする。

(発明者が複数の場合の取扱い)

第14条 前条の補償金を受ける権利を有する法人に所属の発明者が2名以上あるときは、発明に至るまでの発明者の寄与度に応じた割合に按分して支払う。

(発明者の退職)

第15条 発明者は、退職等により法人の役職員の身分を失った場合においても、第13条に規定する補償金の支払いを受ける権利を引き続き有するものとする。

第5章 発明委員会

(発明委員会の設置)

第16条 法人に発明委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、理事長の諮問に応じ、次の各号に掲げる業務を行う。

(1) 第7条第1項に規定する職務発明の認定、発明等に係る特許権等の法人への承継の当否及び共同発明の場合の各発明者の持分割合に関する審議

(2) 法人が承継した特許権等に係る審査請求の当否、権利の維持又は放棄、権利の譲渡又は譲受等の審議

(3) 前2号に掲げるもののほか、理事長が必要と認める事項の審議

(発明委員会の構成)

第17条 委員会は、次の各号に掲げる者をもって構成する。

(1) 産学官連携・知的財産担当学長補佐

(2) URAセンター構成員

(3) その他産学官連携・知財担当学長補佐が必要と認める者

2 委員会に委員長を置き、産学官連携・知的財産担当学長補佐をもって充てる。

3 委員会に副委員長を置き、産学官連携・知財担当学長補佐が指名する者をもって充てる。

4 委員長に事故があったとき又は委員長が欠けたときは、副委員長が委員長の職務を代行する。

5 委員長は、意見聴取のために必要に応じて、発明者その他当該発明等に係る分野の有識者を委員会に出席させ意見を徴することができる。

(発明委員会の会議)

第18条 委員会は、委員長が招集し、その議長となる。

2 委員会は、委員の過半数の出席をもって成立する。

3 委員会の議事は、出席者の過半数で決する。可否同数の場合は委員長が決するところによる。

4 委員会が適時開催できないときは、委員長の判断により委員会の開催を略し、審議事項を明記した文書を各委員に送付することにより意見を聴取し、第16条第2項に規定する業務を行うことができる。

5 委員長及び委員は、自己に関する事項については、議事に加わることができない。ただし、委員会の同意を得たときは、この限りでない。

6 委員会の事務は、大学運営本部研究支援課が行う。

第6章 その他の知的財産権の取扱い

(プログラム等の著作物)

第19条 役職員は、創作したプログラム等の著作物が次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに理事長に書面で届け出なければならない。

(1) 有償又は無償を問わず法人の役職員以外に利用させる場合

(2) 財産的価値が顕在化した場合

(3) その他必要と認める場合

2 発明等に係る特許権等に関する第6条から第15条まで及び第23条の規定は、プログラム等の著作物の取扱いについて準用する。

(回路配置)

第20条 役職員は、創作した回路配置が次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに理事長に書面で届け出なければならない。

(1) 有償又は無償を問わず法人の役職員等以外に利用させる場合

(2) 財産的価値が顕在化した場合

(3) その他必要と認める場合

2 発明等に係る特許権等に関する第6条から第15条まで及び第23条の規定は、回路配置利用権の取扱いについて準用する。

(種苗品種)

第21条 役職員が育成した種苗品種が次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに理事長に書面で届け出なければならない。

(1) 有償又は無償を問わず法人の役職員等以外に利用させる場合

(2) 財産的価値が顕在化した場合

(3) その他必要と認める場合

2 発明等に係る特許権等に関する第6条から第15条まで及び第23条の規定は、育成者権の取扱いについて準用する。

(ノウハウ)

第22条 役職員は、ノウハウを案出したときは、そのノウハウを厳重に秘匿・管理するとともに、案出したノウハウが次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに理事長に書面で届け出なければならない。

(1) 有償又は無償を問わず法人の役職員等以外に利用させる場合

(2) 財産的価値が顕在化した場合

(3) その他必要と認める場合

第7章 雑則

(異議申立)

第23条 発明者は、第7条第2項の規定により通知された内容に異議があるときは、通知を受けた日から30日以内に理事長に対し書面で異議を申し立てることができる。

2 理事長は、異議の申立てがあったときは、学術・研究推進本部会議の意見を徴したうえで、異議申立ての当否を決定しなければならない。

3 理事長が前項の決定をしたときは、当該発明者等及び発明委員会に書面で通知しなければならない。

(秘密保持)

第24条 発明者、学術・研究推進本部会議、発明委員会及び知的財産に係る関係者は、創出された知的財産又は本規程の手続きに基づき取り扱う知的財産に関連する情報を、次に掲げるものを除き、外部に漏えいし又は開示してはならない。法人の役職員の身分を失った場合も同様とする。

(1) 秘密情報を知り得た時点で既に公知となっている情報

(2) 秘密情報を知り得た後、特許庁による特許公開のほか、その関係者の責めに帰することができない事由により公知となった情報

(3) 秘密情報を知り得た時点で既にその関係者が有しており、その事実を書面により証明できる情報

(4) 独立した第三者から、その関係者に知らされた情報。ただし、その関係者が、情報を開示した第三者との間で秘密保持義務を負う場合はこの限りでない。

(5) 知り得た秘密情報に基づかないで、その関係者において独自に開発した情報で、その事実を書面で証明できる情報

(6) 裁判所の命令又は法律の規定に基づきその関係者に対して開示が強制された情報

(7) 法人が特に開示を許諾した情報

2 法人が特許権等を承継しない旨の決定がなされた知的財産に係る情報に関しては、当該知的財産の発明者は、決定の通知を受けた後、これを第三者に開示することができる。

(委任)

第25条 この規程の施行に必要な事項は、理事長が定める。

附 則

(施行期日)

1 この規程は、平成18年6月20日から施行する。

(公立大学法人大阪市立大学教職員職務発明取扱規程の廃止)

2 公立大学法人大阪市立大学教職員職務発明取扱規程は、廃止する。

(大阪市立大学寄附講座及び寄附研究部門規程の一部改正)

3 大阪市立大学寄附講座及び寄附研究部門規程の一部を次のように改正する。

第16条中「公立大学法人大阪市立大学教職員職務発明規則」を「公立大学法人大阪市立大学知的財産取扱規程」に改める。

(大阪市立大学共同研究規程の一部改正)

4 大阪市立大学共同研究規程の一部を次のように改正する。

第14条中「発明に係る特許を受ける権利及び特許権の帰属等」を「発明等に係る特許を受ける権利、特許権等の帰属等」に、「公立大学法人大阪市立大学教職員職務発明規則」を「公立大学法人大阪市立大学知的財産取扱規程」に改める。

第15条を削り、第16条を第15条とする。

附 則(平成20年2月1日規程第8号)

この規程は、平成20年2月1日から施行する。

附 則(平成22年9月30日規程第115号)

この規程は、平成22年10月1日から施行する。

附 則(平成23年9月30日規程第47号)

この規程は、平成23年10月1日から施行する。

附 則(平成26年3月6日規程第11号)

この規程は、平成26年4月1日から施行する。

附 則(平成26年4月1日規程第115号)

この規程は、平成26年4月1日から施行する。

附 則(平成28年3月28日規程第53号)

この規程は、平成28年4月1日から施行する。

附 則(平成28年11月1日規程第175号)

この規程は、平成28年11月1日から施行する。

附 則(平成29年3月31日規程第8号)

この規程は、平成29年4月1日から施行する。

附 則(平成30年12月28日規程第160号)

この規程は、平成31年1月1日から施行する。

別表(第13条関係)

出願時補償額

登録時補償額

活用収益補償比率

5,000円

10,000円

法人が承継した発明等に基づき収入を得た場合、その収入額から当該発明等に係る出願、維持、活用等に要した経費を控除した金額を発明者1/2、発明者が所属する部局1/4、法人1/4の割合で分配する。

備考 発明者が複数の場合、発明等への貢献度により按分する。

公立大学法人大阪市立大学知的財産取扱規程

平成18年6月20日 規程第161号

(平成31年1月1日施行)

体系情報
第7章 研究支援
沿革情報
平成18年6月20日 規程第161号
平成20年2月1日 規程第8号
平成22年9月30日 規程第115号
平成23年9月30日 規程第47号
平成26年3月6日 規程第11号
平成26年4月1日 規程第115号
平成28年3月28日 規程第53号
平成28年11月1日 規程第175号
平成29年3月31日 規程第8号
平成30年12月28日 規程第160号