市大中之島講座 「いのち・すまい・まちを守るために」
平成23年9月12日(月)、大阪市中央公会堂で市大中之島講座「いのち・すまい・まちを守るために」を開催しました。今回の講座は、本学が東日本大震災以降実施している「震災を考える日の取り組み」の4回目としても位置付けており、まちづくりや住まいの専門家を招いて基調講演とパネルディスカッションを行いました。
基調講演では、岩手県立大学社会福祉学部の狩野 徹教授に「復興への課題―生活を守るまちづくりへ」をテーマにお話しいただきました。狩野教授は東日本大震災以降、現地での調査を通じて被災者の生の声を聞き、仮設住宅の建設や新しいまちづくりに積極的に提案をされています。「まちの再建を考える上で、住民の方々にとっての『今の生活の場』としての機能と、『災害に強い』まちづくりを両立させるには課題が多くあり、大学が調査やデータに基づいて提案をしていく必要がある。また、震災から半年がたち、避難所から仮設住宅への移転が進む一方で、新しいコミュニティーの中で人間関係が築けずストレスをため込んでいる被災者も多いが、行政だけでは十分にケアできていないのが実情だ。行政の対策が追い付かない部分を県や他大学と協力して補い、コミュニティの再建を図っていきたい」と述べられ、実際に仮設住宅の複数の棟をデッキでつなぎ住人同士の交流スペースを創出するといった取り組みの実例を紹介していただきました。
続いて行われたパネルディスカッションでは、宮野副学長をコーディネーターに、狩野教授、石川永子 阪神・淡路大震災記念「人と防災未来センター」主任研究員、北山啓三 大阪市副市長、森 一彦 生活科学研究科教授を迎え、都市における防災・減災のあり方について話し合いました。現在宮城県に派遣中の石川主任研究委員には現地の様子や支援活動についてご報告していただきました。北山副市長には被災地に対するこれまでの大阪市の支援活動内容と、今後大阪で起こり得る大規模自然災害に備えての取り組みについてお話しいただき、森教授からは本学が重点研究プログラムとして取り組んでいる都市防災研究について説明がありました。
最後に、宮野副学長が「このような活動を通して、震災復興支援やこれからの防災のために本学が何をできるのかを確かめていきたい」と語り、300名を超える参加者が集まった講座は盛況の内に終了しました。
本講座の映像は、SNO(ソーシャルネットワーク大阪)のホームページでご覧いただけます。
項目 | 詳細 |
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開催日 | 2011年09月12日(月) 10:00 - 17:00 |