公立大学法人大阪市立大学
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JICA研修生を受け入れました

2009年08月14日掲載

研究・産学

大阪市立大学では、JICA大阪国際センターからの委託を受けて平成21年6月8日から8月10日までの約2ヶ月間、「太陽光エネルギー発電技術コース」を実施し、中東地域から4名の技術研修員を受け入れました。本学では1995年から2005年まで大洋州地域からの研修員を受け入れた実績があり、中東地域からの受入は今年で2年目になります。

メンバーは、アハマッド・ダーウィッド・ムサ・ハマッド氏(ヨルダン)、ベジ・ゲスミ氏(チュニジア)、アブデールカデル・バクーシュ氏(チュニジア)、ヤッサー・モハメッド・ガラディ・アルガラディ氏(イエメン)の4名で、それぞれ自国で地方電化、再生エネルギーの実務に携わっている方々です。

修了式集合写真
修了式(8月11日JICA大阪にて)

中東の国々では、電力網が届いていない地域の家庭にソーラーパネルを設置して人々の生活向上を図るなど、太陽光発電を利用した試みが進められています。研修で学んだことを自国で活かすために、皆さんは講義や実習に非常に積極的に取り組みました。太陽光パネルを用いた実習では、炎天下の中(実験にはその方が都合がよいのですが)熱心に計測を行っていました。そして、8月10日には報告会が開かれ、研修を通して学んだ成果をそれぞれが発表しました。忙しい勉強の合間を縫って企業見学や研修旅行にも参加し、日本人や日本文化に触れる機会も持てたようです。また、研修の運営には工学研究科の大学院生がティーチングアシスタントとして協力し、研修生と交流する中で色々な刺激を受けたようです。関わった人々それぞれが貴重な体験を得て、非常に有意義な研修となりました。

研修員の皆さんには、自国で本研修での成果を存分に活かしていただきたいと思います。

太陽光パネル実習風景
太陽光パネルでの実習(7月15日工学研究科中庭にて)

実験室での歓談の様子
実験室での歓談(7月16日工学研究科にて)

報告会での発表
報告会での発表(8月10日工学研究科にて)

 

研修を終えて

アハマッド・ダーウィッド・ムサ・ハマッド氏(ヨルダン)

◆研修はどうでしたか?
-素晴らしい研修でした。この研修で得た知識や経験は今後の仕事や学業に大いに活かしていけると思います。講師の先生方や大学院生の皆さんはとても親切で、私たちの疑問に一つ一つ丁寧に答えてくれました。

◆苦労したことはありますか?
-来日当初は時差ボケでよく眠れませんでしたが、慣れてからは毎日楽しく過ごしました。ただ、日本の夏の蒸し暑さには参りました。

◆勉強以外にどんな体験をしましたか?
-研修旅行などで色々な所を訪れる機会がありました。九州では博多の街が整備されていて気に入りましたし、阿蘇の自然も素晴らしかったです。他にも東京、京都、神戸など色々行きましたが、大阪の人は優しくて、大阪は一番好きな街です。友達もたくさんできて、良い経験になりました。

 

ベジ・ゲスミ氏(チュニジア)

◆研修はどうでしたか?
-太陽光発電システムについて多くを学ぶことができ、実りある研修でした。チュニジアでは、電力網が届いていない地域では家庭で小さなソーラーパネルを利用しているため、この研修で太陽光発電技術やその技術利用に関して新たな知識を得られたことは非常に有意義でした。研修講師の先生方は親切で、必要な時はいつもサポートしてくれました。研修監理員(コーディネーター)の方にもお世話になり、皆さんに感謝しています。

◆研修の中で一番大変だったことは?
-朝から晩までみっちり勉強していたので、他の事をする時間があまり持てなかったことが残念でした。日本語を習ったり、出かけたりする時間がもっとあれば良かったと思います。

◆日本の印象は?
-日本の人は優しくて食事も美味しいし、日本での勉強も生活もとても楽しかったです。

研修運営をサポートして

原田 諭さん(ティーチングアシスタント:工学研究科前期博士課程)

「研修員の皆さんと交流する中で言葉や考え方の違いを知り、異文化を体験する面白さを感じました。また、研修の運営に参加することで、国際交流という枠に留まらず、研修員、JICAの方々、先生等様々な立場の人達とのコミュニケーションの取り方を学ぶことができ、良い経験になりました」

 

辻 協志さん(ティーチングアシスタント:工学研究科前期博士課程)

「もともと英語が苦手で、外国の方とどうやって話したらよいのか全然わからなかったのですが、2ヶ月がたち、耳が慣れてきて最初よりは聞き取れるようになりました。研修員の方たちは皆陽気だったので話しやすかったです。ただ、今の語彙では自分が言いたいことを巧く伝えられないので、来年に向けて語彙を増やさないといけないな、と感じています。今回の研修がきっかけになって、自分の中で伝達手段としての英語の必要性が高まりました。」