公立大学法人大阪市立大学
Facebook Twitter Instagram YouTube
パーソナルツール
教育・学生生活

2012年度語学研修レポート(英国 オックスフォード大学ハートフォードカレッジ)

工学部3回生 松木誠司

 まず、私が留学に参加したいと思った理由について述べたいと思います。私は理系の学生ですが、高校生のころから英語が好きでした。しかし、英語を使う機会は主に授業や試験のみで、言語の大きな役割の一つであるコミュニケーションを目的とする使用機会はほとんどありませんでした。そのため、以前から英語を使ってコミュニケーションをしたいと感じており、大学のホームページを見ていたところ、オックスフォード大学という世界有数の名門大学で短期語学研修に参加できるという企画を見つけ、すぐに参加することを決めました。

 そして、今回の研修は3週間という短い期間なので、劇的な語学力のアップはあまり期待できないのではないかと思っていました。そこで短期間であっても有意義な研修にするために、「できるだけ積極的に現地の学生に話しかけよう」、「オックスフォード大生がどのような生活をしているのかに注意を払おう」、「せっかく旅行ではなく、大学に研修に行かせて貰うのだから、理系の施設も見学させてもらおう」といったことを研修開始前に考え、ぜひ実現させようと思っていました。そして、この研修が今後の英語学習のモチベーションアップにつながってほしいと考えていました。

 研修が始まると、初めの数日間は先生やRAの方たちが何を言っているのかを聞き取ることに集中し続けることにとても疲れましたが、次第に慣れ、RAの人たちとの会話も少しですが楽しめるようになりました。

 研修中の授業では、主にUrban Planning、ELSEVIER社のPringle氏による講演、Final Presentationがありました。

 Urban Planningは、ハートフォードカレッジから徒歩ですぐのところにある駐車場をどのように変えればオックスフォードの街がより魅力的になるのかをいくつかの班に分かれて討論し、計画、発表を行うというものでした。私の班では討論の結果、もっと待ち合わせ場所として利用しやすく、かつゆっくりとした時間を過ごせるような場所があれば良いのではないかと考え、デザイン性を重視したBook Caféのようなものを作れば良いのではないかと発表をしました。このように都市計画について考えるのはあまり経験がなかったので、新鮮でした。この授業で感じたことは、英語で討論することは思っていた以上に難しいということでした。語彙力不足や上手な言い回しが思いつかないなどが原因で、うまく自分の意見を伝えることができず、つい日本語で説明しがちになっていました。

 ELSEVIER社のPringle氏の講演では、Scientific Journalやオープンアクセス、インターネットの発達による利点と欠点などについてのお話でした。そして、講演後には課題として、400~500語程度のEssayを書くというものが出され、講演の概要に加え自分の意見を述べた内容にしました。そしてそのEssayを提出する前に内容について授業でディスカッションしましたが、正しく聞き取り理解できていない箇所がやや多く、まだまだ聞き取る力が不足していると感じました。

 Final Presentationでは、班に分かれ、「実在する会社について調べてその会社の強みや弱みなどを発表する」、あるいは「自分たちで会社を作るならどのような会社をつくるのかを考えて発表する」のどちらかを選択するというものでした。そこで、私の班は後者を選択し、オックスフォードやロンドンには安価でおいしい日本食レストランが少なくとも班のメンバーが見た限りではみつけられなかったため、日本食レストランを経営す会社を作るというテーマに決め、計画していきました。具体的には、コンセプト、スタッフ・サービスの質を上げるためにはどうすれば良いのか、どのようなメニューを提供するのか、などといった項目について話し合いを重ね、考えていきました。発表では、つい原稿に目がいってしまうことが多く、その点には後悔が残りますが、発表自体はおおよそうまくいったのではないかと思います。他の班も、既存の会社についてよく調べてうまく発表していたり、だしを使った料理店や銭湯など、ユニークな発想が見られたりして興味深かったです。また、各班の発表後には質疑応答の時間が設けられていましたが、質問したいことがらをどのように英語で表現すれば良いのかがとっさに浮かばなかったりして、あまり質問をすることができなかったので、それは残念でした。

 この他にもさまざまな授業がありましたが、一番感じたのは、授業中にディスカッションや発言を行う機会が多く、「授業を受ける」というよりは「授業に参加する」という言い方が適しているということでした。そのような授業だったので、とても意欲的に授業に臨むことができました。

 また、RAとの交流は、とても楽しいものでした。いろいろなBarやカフェに連れて行って頂いたり、コモンルームでパーティをしたり、会話を楽しんだりしました。また、特別に理系の研究施設の見学に連れて行っていただいたりもしました。RAを見ていて感じたことは、楽しむときは全力で楽しみ、イベント等がないときは集中して勉強するというようにメリハリがあり、時間を有効に使っているなということでした。実際、休日は図書館にこもって本を読み、Essayを書いていたという話も聞きましたし、移動中のバスの中でもそのための本を読んでいたRAもいました。

 最後にこの研修を通じて感じたことは、もっと英語力を高めたいということです。RAは私たちに話すときは少しゆっくり、かつはっきりと話してくれていたので聞き取ることができていましたが、RA同士の会話はもっと早く、あまり聞き取ることができませんでした。また、先生から「Barやパブでは人々は政治の話などをしていることが多いから耳をすまして聞いてみると良い」と言われましたが、やはりスピードが速く、あまり聞き取ることができませんでした。そういったことから、この3週間で少しは聞き取ることができるようになったとは言えど、聞き取る力がまだまだ足りていないと感じました。

 今回の研修に参加して、本当に有意義な時間を過ごせたと感じています。英語の学習への意欲は予想以上に上昇しましたし、イギリスについてももっと知りたくなりました。もし今後、金銭的、時間的に余裕があったならば、もう少し長期のプログラムに参加したいとも感じました。